廃棄物処理車の為のファシリティ(2024年春竣工予定)

2024 / 上海市宝山市

プロジェクトの背景には、上海市のゴミの分別の義務化が大きく関係している。ゴミ回収の効率化、都心部での中継機能、駐車場機能、管理オフィス機能を備えた建築が社会的に必要となっていた。敷地内の厳しいセットバック規制の中でもコンパクトに要求機能を満たすことで、用地を節約すると同時に独立的で都市の尺度をもったランドスケープ建築を提案した。

環境や景観に配慮した建築という政府からの命題に対しても、曲面の大屋根が空気の通り道のデザインとなり、機械に頼らない環境に配慮した換気計画となっている。また、敷地周辺の緑地、橋に対して継続した景観を保ち、清掃車作業の実態を一般に示すことで、環境衛生/維持に対する社会の意識にも大きな力となるだろう。

小大建築設計事務所(建築家)

小大建築設計事務所(建築家)

建築家・小嶋伸也と小嶋綾香が率いる、東京・上海を拠点とする設計事務所。現代の情報化社会で表層的になってしまった、人間関係や薄れた地域性を再生すべく、小さなローカルなものでも集う場所を作り、持続的で大きく確かな経済性を生み出すような設計を心がける。

また、大量生産の末、均一化されてしまった素材に意を唱え、地域の風土や文化的背景を継承できる素材を取り入れることで、職人技術や地域の美しさを継承していくことを目指す。「日本の心地良い美がある暮らし」をテーマにしたリノベーションブランド「一畳十間」の運営をおこなう。

https://ko-oo.jp/
https://ichijo-toma.jp/

2023/10/11 10:35