大阪中之島美術館

2021 / 大阪府大阪市

「美術館を日常の場にする」

都市の中に浮遊したような美術館の建築に対峙するよう、力強くおおらかなランドスケープを目指しました。周辺から大きくセットバック(敷地や建物を道路や隣地などの境界線から離すこと)した3階から5階の黒色直方体のボリュームに対し、1階から2階は「周辺との連続性」を図る役割を担っています。建築と一体となりつつも周辺と連続する、いわば地形として計画しました。

美術館を日常の場にするよう、積極的な緑化を行うと共に、来館者に限らず休憩・滞在・屋外イベント・屋外展示などが可能な設えとし、大阪の新しい美術館を象徴するような計画としました。

周辺道路との高低差を活かすアクティビティを内包した多層の段により構成することで、高低差を感じない丘のようなアプローチ空間を目指しました。それらの拠り所が人と美術館の接点を生み出し、日常的に人が集う風景が広がる新しい美術館の一助になればと考えています。

施主:大阪市
設計:株式会社遠藤克彦建築研究所
Photo:高橋菜生(1枚目)、上田宏(2~6枚目)

石井秀幸・野田亜木子/株式会社スタジオテラ(ランドスケープアーキテクト)

石井秀幸・野田亜木子/株式会社スタジオテラ(ランドスケープアーキテクト)

2020年度町田薬師池公園四季彩の杜西園ウェルカムゲートにて日本造園学会賞 設計作品部門受賞(石井・野田)、2021年さいき城山桜ホール周辺地区にて都市景観大賞「都市空間部門」優秀賞受賞、2021年那須塩原市図書館みるるにてグッドデザイン賞受賞、2020年町田薬師池公園四季彩の杜西園ウェルカムゲートにてグッドデザイン賞受賞、2019年能作新社屋・新工場にてグッドデザイン賞受賞、2019年江東区立有明西学園にて屋上・壁面緑化技術コンクール環境大臣賞受賞、2018年・2014年石巻・川の上プロジェクト1期および2期にてグッドデザインベスト100賞受賞など受賞多数。

石井秀幸
1979年東京生まれ。2005年ベルラーヘ・インスティテュート卒業。久米設計、LPDを経て、2013年株式会社スタジオテラを設立。2017年より山梨県景観アドバイザー就任、千葉大学・武蔵野美術大学・東京理科大学非常勤講師。

野田亜木子
1981年東京生まれ。2005年関東学院大学大学院工学研究科建築学専攻修了。オンサイト計画設計事務所を経て、2015年株式会社スタジオテラのパートナー就任。関東学院大学非常勤講師。

https://studio-terra.jp

2022/2/9 15:15