第228回 宮田裕美詠 (グラフィックデザイナー)

[桐山登士樹の推薦文]

群を抜くデザイン力、デザイニングでの考察力、宮田さんのデザインには何時も驚かされる。東京から遠く離れた富山のスタジオから次々とパワフルなデザインが生み出されるのか不思議だ。今回紹介するデザインからは、時代の捉え方、切り取り方、その多様な表現(デザイン)が見て取れる。また、この十年、宮田さんのデザインを富山で見てきたせいか醸し出される雰囲気(テイスト)で本人か否かもわかるようになった。近作では2015年のホクビの「Qui boon」に宮田さんの力量を見た。成熟した市場に放つデザインの力、生活のデザイン、まさに私が望む方向である。数々の受賞歴が示しているので、ここで改めて評価する必要はない。後はどこまで越境していくのか、本人のデザイン欲との闘いだ。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

宮田裕美詠(グラフィックデザイナー)

宮田裕美詠(グラフィックデザイナー)

富山県出身・在住。有限会社クロスを経て、2002年よりフリーランス。おもな企画展の参加に、「TAKEO PAPER SHOW 2014『SUBTLE』」(主催:竹尾/企画:原研哉)、「8人の女たち」(クリエイションギャラリーG8)、「NIPPONの47人 2015 GRAPHIC DESIGN」(企画:ナガオカケンメイ、D&DEPARTMENT PROJECT)、「エアラス・性能と品質」のグラフィックトライアル(主催:特種東海製紙/企画:廣村正彰)など。おもな受賞に、JAGDA賞2016、JAGDA新人賞2013(公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会)、世界ポスタートリエンナーレトヤマ・入選(2006、2009、2012、2015)、日本パッケージ大賞2017・銅賞など。

http://www.stride.me