横尾忠則 銀座番外地

ギンザ・グラフィック・ギャラリー 第395回 企画展

横尾忠則 銀座番外地

「これからが本番です」― この言葉は、今年の2月、横尾忠則さんが日本芸術院で新設された<建築・デザイン>分野の会員に選ばれた時の決意表明です。「43年前に画家宣言をされた横尾さんがなんでデザイン分野なの?」という疑問も残りましたが、100年を超える歴史を持つ日本芸術院の古い体質に、風穴を開けるような事件ではなかったでしょうか。

本展では、横尾さんが日本芸術院に選出された主な評価理由「文学、演劇、音楽、映画、ファッション等、様々な分野に活動の場を拡げた43年前のデザイン」(1960~80年代)に焦点を当てることになりました。ただしその対象は、完成品のポスターや書籍ではなく、作品を構成するラフスケッチ、アイデアノート、デッサン。表現エレメントとしてのドローイング、原画、コラージュ。版画やポスターを仕上げるための版下、色指定紙等々、作品完成以前の膨大な「デザイン表現のプロセス」です。横尾さんと親交のあった高倉健が主役の映画『網走番外地』になぞらえば、「横尾さんの仕事の番外の地」と言っても良いでしょう。

これらの資料や作品は、横尾忠則現代美術館のもとですでに約80箱に収納・整理されていましたが、実物に触れる前に資料や作品、収納状況の記録写真18,000点余をチェック。さらに展示のための250点を厳選するのに約2,500枚の出力の山と対峙しました。そのうず高く積み上げられたコピー紙の山は、すでに「ヨコオアート」の源泉で溢れかえり、「ヨコオアーカイブ」という名のカオス状態。そして、それらを「丸呑み」することによって、今回の企画展の扉が開きました。

今回大々的に展覧するスケッチや原画、版下等が並ぶ展示空間は、横尾さんの手のぬくもりを感じさせ、見る人に頭ではなく肉体的体験を約束します。それはブラックホールのように、今まで見えなかった横尾さんの創造空間に引き込み、吸収し、消失してしまうような、「無」の境地に誘います。いまだ生成し活動し続ける横尾さんの超私的ブラックホール。その渦中「番外の地」に迷い込んでしまえば、横尾さんの表現の原点・原郷に到達、遭遇できるかもしれません。

《本文は公式サイト紹介文より抜粋》

【関連イベント】
●オープニングパーティ、ギャラリートーク等
※詳細は公式ホームページをご覧ください

開催期間 2023/05/15(月)~2023/06/30(金)
※イベント会期は終了しました
時間 11:00~19:00
休館日 日曜日、祝日
入場料 無料
参加アーティスト 横尾忠則
会場
  • ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
  • 東京都中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル
会場電話番号 03-3571-5206
会場URL https://www.dnpfcp.jp/gallery/ggg/
詳細URL https://www.dnpfcp.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000819