マルセル・ブロイヤーの家具:Improvement for good

《クラブチェア B3》 1927-28年 東京国立近代美術館蔵《クラブチェア B3》 1927-28年 東京国立近代美術館蔵

クッションや大仰な布張りを取り除いて、それまでの重々しい椅子のイメージを一新した「クラブチェア B3(ワシリーチェア)」。戦後にパリのユネスコ本部やニューヨークの旧ホイットニー美術館を手がけ、建築家としても知られるデザイナーのマルセル・ブロイヤー(1902-81)が、23歳で考案した椅子である。

「クラブチェア B3」を発表する以前から、すでにブロイヤーは自身が取り組んでいるデザインの新しい方向をはっきりと見出していた。それは、過去の様式をつかさどっていた形や装飾の構成要素から脱却し、機能に基づいたデザインをすることだった。その考えは、当時彼が学んでいたドイツの造形学校バウハウスが提唱していた、産業と芸術を統合する取り組みにおいて最も重視されたデザインの原理であり、ブロイヤーはそれを実践し、けん引した。

そして、彼が考えていた機能において、いつも中心にあったのが人間であった。ブロイヤーにとって、人間の「本能」に根ざしたものを生み出すことこそがモダンデザインであり、彼の思想や仕事の中に深く根ざしたデザイン哲学だった。彼の家具には、デザインが小さな改良を重ねながらも、進化し続けている理由を探る鍵が隠されている。

本展は、ブロイヤーの家具デザインに見られるいくつものバージョンの違いに注目しながら、国内外のコレクションによる家具、約40点で構成する。家具を起点として、戦後は建築へと創造の幅を広げたブロイヤーだが、そのデザインの核心は、家具デザインに凝縮されている。同展は、モダンデザインという言葉にさまざまな解釈の可能性を示しているブロイヤーのデザインにあらためて触れ、21世紀に生きる私たちに送られた彼のメッセージを受け取る機会となる。

【関連イベント】
●ギャラリートーク
日程:4月15日、4月22日
時間:各日15:00~
場所:東京国立近代美術館 2F ギャラリー4
※申込不要、参加無料(要観覧券)

開催期間 2017/03/03(金)~2017/05/07(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~17:00(金・土は20:00まで、春まつり期間中<3/25~4/9>の金・土は21:00まで/いずれも入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜日(ただし、3/20、27、4/3、5/1は開館)、3/21
入場料 一般430円/大学生130円/高校生以下および18歳未満・65歳以上・障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1名)は無料
参加アーティスト マルセル・ブロイヤー
会場
  • 東京国立近代美術館
  • 2F ギャラリー4
  • 東京都千代田区北の丸公園3-1
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
会場URL http://www.momat.go.jp/
詳細URL http://www.momat.go.jp/am/exhibition/breuer_2017/