編集部の「そういえば、」―神戸の実験的ギャラリーで出会うフィンランドデザイン
そういえば先日、兵庫県神戸市のアートギャラリー「Vague Kobe(ヴァーグ コウベ)」に行ってきました。デザイナー・柳原照弘さんのスタジオが手がける「Vague」は、フランス語で「波」を意味します。「Vague Kobe」は、街の象徴でもある神戸ポートタワーから徒歩15分ほどのところにあります。

「Vague Kobe」外観。神戸のほか、フランス・アルルに拠点を持ちます。
竣工から80年以上の歴史を持ち、元は銀行として利用されていたチャータードビルの一角にある「Vague Kobe」。Teruhiro Yanagihara Studioのデザイン哲学を表現する空間で、展覧会やワークショップ、フードポップアップなどさまざまな実験的取り組みが行われています。
訪れた日は、フィンランドのインテリアブランド「Artek」による展覧会「90 Summers」が開催されていました。同展は、長く受け継がれてきたフィンランドデザインの家具や照明、日用品を収集・再販売するプラットフォーム「Artek 2nd Cycle(アルテック セカンド サイクル)」として開催されています。会期は2026年9月14日まで。

会場には、アルヴァ・アアルトがデザインした1930年代製のチェアやアイノ・アアルトによるガラスウェア、イルマリ・タピオヴァーラによる1940年代製のチェアなど、貴重なアイテムが計55点展示されています。長い時を経て人の手を渡ってきた家具の佇まいはVagueの空間と見事に調和し、静かで居心地の良い時間が流れていました。

家具はもちろん、どこを切り取っても絵になるVagueの展示空間も見所です。

「Artek」の創立30周年を記念するアニバーサリーポスターも。1965年に制作されたもので、フィンランドの広告代理店P.O.Nyströmによるデザインです。

空間全体から置かれているアイテムの一つひとつに至るまで、洗練されたミニマルなデザインに触れることができる同ギャラリー。企画展の展示以外にも食器やアクセサリーの展示販売、お茶会や花の販売といったイベントが開催されています。神戸に行かれる際はぜひ、Vagueのデザイン哲学を五感で体験しに訪れてみてはいかがでしょうか?
(萩原あとり)





