編集部の「そういえば、」―2045年の職業とミクロの世界
そういえば、少し前になりますが未来のわくわく感を味わった展示「0次開発プロジェクト vol.1 まだ存在しない未来の職業展 2045」をご紹介します。会期は6月18日から6月26日まで、会場は東京・高輪のTHE LINKPILLAR 2 14階で開催されました。

本展を主催したのは、オフィス家具や店舗用什器、物流システムで知られる株式会社オカムラ。プロトタイプの開発や、クリエイティブディレクションとして株式会社コネルが参画しました。
本展は、オカムラが積み重ねてきた6,000件を超える特許技術を基に、新たな事業の可能性や「未来の職業」を探る「0次開発プロジェクト」の一環として実施されたもの。会場では50種類の「未来の職業」をパネルで紹介したほか、コネルが開発に参画した2つの職業のプロトタイプを体験することができました。

展示の導入部分では、まず「世の中のスタンダードは20年で変わるのか?」という問いが書かれたパネルからスタート。「働く」「キャリア」「住まい」「飲み会」「年齢」「家族」という各項目に対し、過去の価値観・現在の価値観・未来の価値観という3つの時間軸での状況が書かれていました。たとえば、「住まい」の項目では以下のような形。
過去の価値観:家は買わなきゃ。賃貸は捨て金だって言うでしょ。マイホームが夢だよ。
現在の価値観:賃貸でもシェアでも、ライフスタイルに合えば全然いい。
未来の価値観:「どこに住んでるの?」って聞かれても困る。住所はあるけど、今月は福岡、来月はバルセロナ。国って単位で住む場所を考えていないかも。

オカムラの特許技術を起点に導き出した未来の職業には、「デジタル遺産管理人」「美肌菌材師」「宇宙居住プロダクトデザイナー」などネーミングを聞いただけでも想像が大きくふくらむものばかり。「実際の2045年にはどんな職業が生まれているだろうか?」「どんな仕事をしているだろうか?」といった、未来の職業や働き方について、来場者も一緒にワクワクしながら考えることができる展示でした。

「未来の職業」の各パネルには、職業の紹介とともに、オカムラのどの特許技術をアイデアのベースにしているかが記載されていました。写真は「倫理観講師」のパネルで、「採用審査をAIに受けたい」or「採用審査を人間に受けたい」の2択に投票できる参加型になっていました
(石田織座)
神秘的な「ミクロの世界」
そういえば、東京都写真美術館で2026年8月23日まで開催されている「Nikon Small World / NIKON JOICO AWARD展『ミクロの世界 -生命(いのち)の未来を照らす-』」の内覧会にうかがいました。
2026年7月で顕微鏡事業101年目を迎える株式会社ニコンが主催する同展。普段私たちの目には見えないけれど、確かにそこに存在している「ミクロの世界」を、学術と芸術の両面から紹介する展覧会です。
第1章では、顕微鏡の誕生から現在にいたるまでの技術革新の歴史をたどることができます。ここで見逃せないのが、世界に一つしか現存しないとされる1848年のダゲレオタイプ(銀板写真)による顕微鏡写真『ウニのとげと断面』や、約100年前に誕生したニコン初の「JOICO顕微鏡」の実物展示です。

実際に展示されていた「JOICO顕微鏡」
また、顕微鏡のこれまでの歴史をたどる年表も展示されています。要点が黄色のハイライトでわかりやすくなっているので、専門知識がない方でも飽きずに楽しむことができます。
展覧会のメインとなる第2章では、ニコンが世界展開している顕微画像コンテスト「Nikon Small World / NIKON JOICO AWARD」の直近の受賞作品が、藻類や植物から哺乳類へと生命の進化の流れに沿って展示されています。細胞の分裂プロセスやマウスの神経細胞などが捉えられた写真は、まるでCGや現代アートのようで、ギャラリーに展示されていても違和感がないほど神秘的でした。

藻類エリア

軟体動物、刺胞動物、節足動物エリア
同じ第2章には、大画面に映像が投影された没入型空間も設けられています。そこで映し出される映像は、一般的な映像作品のような鮮明さを追求したものではなく、「事実を正確に捉えること」を重視した映像です。科学のために生み出された映像が、芸術性の高い新たな映像表現にもなっており、何時間でも眺めていたくなる空間になっていました。

没入型空間エリア
最終エリアの第3章では、医療や創薬など、私たちの衣食住すべてを陰で支えている顕微鏡の現在地が紹介されています。多数の薬効を一度に調べるために使用するウェルプレートなども展示されており、ドラマの中の「科捜研」のようなプロの世界を垣間見ることができます。さらに、実際に顕微鏡をのぞいて本物のミクロの世界を観察できる体験コーナーも設置されています。

「ウェルプレート」。実際に触ることができる
そのほかにもクイズ形式で答えを探す仕掛けがあるなど、親子でコミュニケーションを取りながら楽しめる工夫が凝らされていました。夏休みの自由研究や、子どもたちが科学技術に興味を持つきっかけづくりにもなる展覧会でした。
今回の展示を通して、初めて顕微鏡をのぞいた時に、こんなにも小さな細胞が集まって生命は成り立っているのかと感動したことを思い出しました。顕微鏡から見る「ミクロの世界」は、なぜこんなにも神秘的で、人をワクワクさせてくれるのでしょうか。ぜひ会場で、その驚きと感動を体感してみてはいかがでしょうか?
■Nikon Small World / NIKON JOICO AWARD展『ミクロの世界 -生命(いのち)の未来を照らす-』
https://www.microscope.healthcare.nikon.com/ja_JP/joico-100th/top
(岩渕真理子)





