
京都を舞台にこれまで多数の著作を発表してきた気鋭の小説家・花房観音(代表作:『女の庭』、『花びらめくり』、『愛欲と情念の京都案内 魔の潜むこわ~い街へようこそ』ほか)と円居挽(代表作:『河原町ルヴォワール(ルヴォワールシリーズ)』、『京都なぞとき四季報 町を歩いて不思議なバーへ』ほか)による書き下ろしアンソロジー。
観光客も地元の人も馴染みのない京都の中心部をぐるっと囲む郊外=洛外を舞台に、かたや、女はかつて付き合った男たちを、かたや、男は一人の女を探しに縦横無尽にまちをめぐり、弧を描きながら物語が繰り広げられる。
また、本書は単に小説を“読む”だけではなく、“読みながら歩く”ことを推奨している。気鋭の映画監督・遠山昇司らマジカル・ランドスケープ研究会が二人の作家とコラボして、フィクションの中に登場する風景(モニュメント、ランドスケープ)のみならず、京都の洛外を端的に表すような場所を写真や地図(QRコード付)、テキストで紹介している。本書は、今までありそうでなかった「まちあるきしながら読む小説」だ。
【おもな収録コンテンツ】
『恋墓まいり』著:花房観音
『きょうのはずれ』著:円居挽
『マジカル・ランドスケープin京都』
演出・ディレクター:遠山昇司
写真:田村尚子
編集:影山裕樹(千十一編集室)
寄稿:福島幸宏(京都府立図書館)、惠谷浩子 (奈良文化財研究所)ほか
影山裕樹(千十一編集室)おすすめコメント
昨年度、京都の洛外の5つの区ごとにローカルメディアを作るワークショップ「CIRCULATION KYOTO」のプロジェクト・ディレクターを務めており、京都の郊外に足繁く通ってきました。地元の人にも、もちろん観光客にも馴染みのない京都の郊外に人の足を運ばせる方法はないか。それが物語の力だと思いました。
そこで今回は京都を舞台にした作品を多数発表してきた花房観音さん、円居挽さんのお二人に、京都の郊外を舞台に小説を書き下ろしていただきました。さらに、本書では小説に出てくる場所が写真や解説、地図などで取り上げられています。読んで歩く小説というのが本書のテーマ。ぜひ書店で手にとって京都に遊びに行ってみてください。
発行 | 千十一編集室 |
---|---|
著者 | 花房観音、円居挽 |
デザイン | 加藤賢策+岸田紘之(LABORATORIES) |
企画 | CIRCULATION KYOTO |
編集 | マジカル・ランドスケープ研究会+千十一編集室 |
写真 | 田村尚子 |
仕様 | A6判(文庫判)、並製、298ページ(カラー4ページ、モノクロ294ページ) |
価格 | 1,000円(税別) |
ISBN | 978-4-9910111-0-8 C0193 |