
本書は1963年にアメリカで刊行されて以来、世界中で50年以上読み継がれてきたベストセラー「Interaction of Color」50周年記念版(2013年/イェール大学発行)の完訳です。
色彩体系や調和の理論を型通りに教えるのではなく、隣り合う色の作用、その関連性を「見る目」を養うための「実習」のプロセスが示されています。色の相互作用(インタラクション)を学ぶことで、はじめて自分なりの配色、望み通りの色彩効果が得られる。まさに「配色」の原点であり、人々の「見ること」についての考え方を変えた一冊です。
石井早耶香(ビー・エヌ・エヌ新社)おすすめコメント
アメリカでは幾度も改訂され、読み継がれているベストセラー。日本では、訳書が刊行されてから数十年もの空白がありました。今となっては地味とも思える"ザ・古典"ですが、その名を「Interaction of Color」。1963年に発表されたこの原書タイトルに、長いあいだ惹きつけられているのは、私だけではないはず。
訳すなら「色のインタラクション」すなわち「色(と色)の相互作用」。これは色を扱う多くの人が、知っていて、経験しているにもかかわらず、"実践"をうやむやにしていることです。無数の色を選べるようになって一層、「~っぽい」配色や、好みの色使いにとらわれていく。
かつて、色を見ること、組み合わせることの本質を掴むために、これだけ熱い研究/実習が行われました(当時いかに挑戦的な取り組みであったか、序文に余すところなく書かれています)。記されているのは体験の手法、教育の大いなる記録です。
現在もデザインの基礎として、アルバースの色彩研究に触れる機会はありますが、間接的で断片的なものでしょう。色と色のあいだで起こることを「インタラクション」と呼んだアルバースの声を今あらためて聞き、人々が色を見るに至った道を辿り、まさに"目を開いて"欲しい。そんな思いで送り出す、刊行50周年記念版の完訳です。
発行 | ビー・エヌ・エヌ新社 |
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著者 | ジョセフ・アルバース |
監修 | 永原康史 |
訳 | 和田美樹 |
デザイン | 市東基 |
仕様 | A5判、206ページ |
価格 | 2,400円(税抜) |
ISBN | 978-4-8025-1024-0 |