モノクロ絵の魅力は、紙と鉛筆が一本あれば生まれる、表現の原点としての親しみやすさと、明暗だけで描かれる光景の幅と奥行きにある。静謐にして雄弁、シンプルがゆえに、注意深さやカラーとは異なる技術、センスを要する表現ともいえるだろう。
本書は、国内外から選りすぐった現代のモノクロ絵を総覧できる一冊。長場雄、Kevin Lucbert、Rohan Daniel Eason、Lishanskaya Elena、寺本愛、はやしあおな、小原貴恵など、69名の作家が使用した画材や技法を示し、色を絞ることで浮かび上がる線、筆触、リズムに迫る。色鮮やかな世界に慣れた視覚をリセットし、光と影、色彩の果てと果てを行き来する、めくるめく体験へと誘う。
発行 | ビー・エヌ・エヌ新社 |
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デザイン | 市東基 |
編集 | BNN編集部 |
仕様 | B5判変型、272ページ |
価格 | 2,600円(税抜) |
ISBN | 978-4-86100-989-1 |