薪のゲストハウス

建て主の生活の移り変わりによって変化するファサード

デザインコンセプト
担当:畝森泰行建築設計事務所

富山県高岡市にある、木造平屋のちいさなゲストハウスの増改築。

前面道路に向けて取り付けた掃き出し窓の外側に、薪ストーブに用いる薪の棚を設けた。薪棚は単なる収納ではなく、西日や外からの視線を遮りつつ室内に風を通す柔らかなファサードとして、建物の外観の一部となる。

物件「薪のゲストハウス」左:改修前 右:改修後

左:改修前 右:改修後

夏場は大量の薪を乾燥させるため薪棚はびっしりと埋まり、木漏れ日のような光を室内に通す。薪ストーブを使用する冬場になると薪は徐々に減っていき、薪で覆われた外観から、だんだんと薪棚本体の輪郭を認識できるようになっていく。建て主の生活の移り変わりによってファサードが小さく変化する。

物件「薪のゲストハウス」

前面道路と裏庭の桜の木に挟まれたこのゲストハウスは、プライベートなもてなしの空間になると同時に、街に対して変わり続ける姿を表現する建築となった。

設計担当 畝森泰行建築設計事務所
施工担当 堺谷建築
用途 ゲストハウス
所在地 富山県高岡市
平米数 46.27m2
構造 木造
設計期間 2017年3月~12月
施工期間 2017年12月~2018年1月
撮影 中村絵