connel coffee

竣工当時からあったモノの潜在的な価値を引き出した、nendoのカフェ

デザインコンセプト
担当:nendo

東京・港区にある草月会館の2階に位置するカフェ。1977年に建築家・丹下健三によって設計された当時のインテリアがまだ残っていることや、赤坂御所や高橋是清翁記念公園、そしてイサムノグチが手がけた石庭への眺望が美しいことから、天井や壁面には触れず、新たな造作壁も建てることなく、床と家具のみをデザインすることにした。

床にはnendoが手がけたフローリング「stream」を使用し、2つに分かれた空間を流れるように繋いでいる。カウンターの側面も同じフローリング材で仕上げ、さらに一体的な印象が生まれるようにカウンターや階段のフローリングの目地がすべて床とそろうようにした。カウンターの天板には艶のある黒い人造大理石を使うことで、天井のグレーペンミラー仕上げと呼応させた。

竣工当時からここで使用されてきたエーロ・サーリネンの「チューリップ・チェア」は補修し、マットブラック塗装を施して再利用。また、一緒に使われていた「チューリップ・テーブル」も同じく補修し、天板には天井と同じグレーペンミラーを貼った。結果的に、この場所がもつ潜在的な価値を引き出すようなインテリアデザインが生まれた。

カフェはnendoが運営母体となり、さまざまな人たちとの有機的なコラボレーションを行っていきたい、との思いから名前を「connel」(=さまざまな要素を“こねる”)とした。ロゴはnendoのロゴから「n」を抽出し、グニャリと曲げるようにして2つの「c」にし、オリジナルマグカップは持ち手部分を手でこねて作ることで一点一点異なる形状となるようなデザインにした。さらに、マドラーはマグカップの中で自立するような形にしつつ、錫製にすることで使っていくにつれて徐々に形状が柔らかく変化していく仕様だ。

所在地 東京都港区赤坂7-2-21 草月会館2F
営業時間 9:00~18:00(月~金)
電話番号 03–6434–0192
平米数 カフェ:81.68m2、ラウンジ:186.27m2
デザイン nendo
共同設計 堀田真澄/乃村工藝社
撮影 Takumi Ota

2015年7月1日オープン後、2016年8月4日にリニューアルオープン(※内装デザインは変更なし)