銀座・和光本館、2021年初夏から7月中旬のショーウインドウのテーマは「浪」。
世界的に有名な絵画をモチーフに、涼を感じるディスプレイのアートディレクションを担当した和光の武蔵淳さんに、ウィンドウに込めた思いや具体的な手法についてお伺いしました。
夏の景色を世相に重ねてみる。モチーフは葛飾北斎「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。言わずと知れた大胆な対数螺旋の構図で、大きなうねりに抗う3艘の小舟と、富士の山が描かれています。困難の向こうにある希望、自然との共存など、あらためて驚くほど現在の社会状況が映し出されているように感じます。

「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、ダ・ヴィンチのモナリザに次いで、世界で2番目に有名な絵という説があるそうで、人を惹きつける絵には、さまざまな思いを投影できる懐の深さがあるのかもしれません。
夏のディスプレイでは、富士山の代わりに、和光本館を据えました。「どんな時も、ここに。Always here for you」。刺繍のメッセージが、揺るぎない安心と信頼のイメージを強めています。
サステナブルな社会への視点から、春のディスプレイに使用したステンレス枠と金属メッシュを再利用し、モールのクロスステッチの手法を継続、なるべくゴミを減らすように取り組みました。
アートディレクター | 武蔵淳 |
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展示期間 | 2021年5月27日~7月21日 |