資生堂銀座ビル1Fのウィンドウにて、4月10日まで展開しているインスタレーション「Shiseido Beauty Innovation 2020」。コンテンポラリーデザインスタジオ「we+」と資生堂のアートディレクター菊地泰輔さんがコラボレーションして生まれた作品です。
きれいに隊列を組んだ円形の紙が一斉に舞い上がったり、踊っているかのように見える本作品。we+の安藤北斗さんと林登志也さんに、制作の背景やコンセプトについてうかがいました。
資生堂では、企業のブランドアイデンティティを伝えるため、年4回、資生堂銀座ビルの1Fを活用した空間展示を行なっています。企業理念である「Beauty Innovation」を表現した本展示は、カラフルな糸の動きにより「美の多様性」を追求した昨年のインスタレーションに続いて、2年目の作品となります。
インスタレーションでは、紙と風と光の動きを制御することで生まれるゆらぎや、シンプルなかたちから立ち現れる深遠な表情を描き出すことで、美の多様性を表現。美の多様な価値観を捉え、更新し続けることが、世界を変えるイノベーションにつながることを暗示しています。
垂直方向にピンと張られたワイヤーを軸に、直径約210mmの紙を縦5列、横16列に均一に並べ、各紙の真下に小型のサーキュレーターを設置。送風をコントロールすることで、紙の上下運動を制御しています。
風同士がぶつかり合うと、計算しきれない風の流れが発生することから、まるで、紙そのものが生き物のように振る舞い、ダンスをしているような、有機的な動きが生み出されます。天井部に設置した80灯の照明は1つ1つの紙の動きと連動しており、紙が上に移動するにつれて光を受ける様子が変化します。3カ月にわたる長期展示に耐えうる設計とするため、耐久性に優れた軽量な紙を使用。また、高さ3.5mの展示空間をダイナミックに活用するため、サーキュレーターの羽根や送風口の形状を工夫し、紙が上部までスムーズに舞い上がる設計としています。
ディレクション | 菊地泰輔(資生堂)・安藤北斗、林登志也(we+) |
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デザイン・ディベロップメント | RQ青木、関口愛理(we+) |
制御機構開発 | 加藤未央(siro) |
照明 | 矢野大輔、Chang Yu Han、富岡奈々子(Tokyo Lighting Design) |
ソフトウェアプログラム | 橋本想 |
技術監修 | 松山真也(siro)、日下部理(Perspectives) |
施工 | ノムラデュオ |
撮影 | 飯野太平 |
動画編集 | 村瀬健一 |
展示期間 | 2020年1月20日〜4月10日 |