連載「気になるWebサイトまとめました。」(第1回)

連載「気になるWebサイトまとめました。」(第1回)
JDN編集部が気になるWebサイトを紹介していく、連載「気になるWebサイトまとめました。」(ド直球!)。最先端のテクノロジーを惜しみなく注ぎ込んだサイト、「そう来たかー!」と思わされるユーモラスなサイト、ビジュアル表現が秀逸なサイト……などなど、2か月に1回くらいのペースでゆる~く更新していきたいと思っています。「我こそは!」という自薦も随時募集中です(本気)!

まず、第1回は「広告事例」のコーナーで紹介したサイトから抜粋していきます!

Yahoo! JAPAN「HISTORY OF THE INTERNET ~インターネットの歴史~」

「気になるWebサイトまとめました。」なんていうからには、インターネットの歴史を知っておかないとまずいでしょ?Yahoo! JAPAN「HISTORY OF THE INTERNET ~インターネットの歴史~」は、今年で3度目となる特設サイト。国内外1,474件のインターネットに関する出来事をすべて3DCG化して、“3D彫刻タワー”として表現。左右に360度回転させながら鑑賞でき、彫刻に触れると詳細を確認できるというものです。ここまで壮大だと、インターネットがさながら神話のように思えてきます。

「過去の出来事から学び、次の世代にもインターネットの歴史を刻んでいって欲しい」というコンセプトから、タワーには頂上がなく、何も刻まれていない柱が延々と続くデザインになっているのも気が利いています!

https://internethistory.yahoo.co.jp/
https://www.japandesign.ne.jp/advertising/history-of-the-internet/

AYDA / Asia Young Designer Award

日本ペイントグループが、アジア一円で開催している建築デザインの国際コンペティション「Asia Young Design Award」の特設サイト。このサイトのなにがユニークかというと、通常グラフィックとWebを同時につくる場合、まずロゴやメインビジュアルをつくってそれをWebに展開するのが一般的なところを、あえてグラフィックのことは一切考えずにWebから先につくり出したという点です。

コンペのテーマが『色』ということもあり、ペンキを塗るような動作をベースにしていて、その後ろに文字情報をのぞかせるというWebデザインなのですが、これをそのままグラフィックに展開しているというのが大胆だなあと唸らされました。グラフィックはWebとは色味を変えて、2色の蛍光インキと淡いブルーの特色や繊細なグラデーションなどを使って、印刷物らしい発色に仕上げられているのも、アートディレクター古平正義さん(FLAME)らしいこだわりを感じさせます。

https://ayda.jp
https://www.japandesign.ne.jp/advertising/ayda/

株式会社WEB企画「こども株式市場キッズ」

株を楽しみながら学ぶメディア「俺株」のPRコンテンツで、こどもが想う夢を株式会社で表現するという「……!?」な企画です。こどもたちが考える株式会社はどんな会社になるのか……?3名のこどもにインタビューをし、架空の会社を考えてもらい、それを「こどもの会社しか存在しない株式市場」という形で、Webサイトにまとめたというもの。佐藤ねじさん率いるブルーパドルらしく、目のつけどころがひと味違うわ~と思わされます。

このサイトは、みんなの応援によって株価グラフが変化するというのも特徴で、“大人”の株式市場「マザーズ」とは違い、こども株式市場「キッズ」で金銭は発生しません。みんなの応援が集まることで「株価」のグラフが変化していきます。また、このグラフは「こどもの夢」なので、こどものモチベーション次第でもグラフが変化します。なにか別のことに夢中になったり、お母さんに怒られたりして熱量が低くなったときは株価は暴落します(笑)。

https://orekabu.jp/yumekabu/
https://www.japandesign.ne.jp/advertising/kodomokabushiki-kids/

「株式会社コピーライター」コーポレートサイト

コピーライター・長谷川哲士さんが代表を務める「株式会社コピーライター」のコーポレートサイトは、日替わりでその日の記念日に合わせたコピーとイラストが表示されるという、毎日訪れずにはいられない仕掛けアリです!サイト内は、長谷川さんがこれまで書いてきた膨大なコピーがひたすら載っていて(本当にひたすら!)、クリックすると広告の詳細内容に飛べるつくりになっています。

また、右下のアイコンをクリックすると、チャットができます。ひらがな1文字でも即レスで返信してくれるし、「会社名考えて!」と言われたら会社名を考えてくれるそうです(笑)。

https://www.copywriter.co.jp/
https://www.japandesign.ne.jp/advertising/copywriter/

USHIO CHOCOLATL

広島県尾道市向島のチョコレート工場『USHIO CHOCOLATL(ウシオチョコラトル)』のブランドサイトのリニューアルを、MOUTAKUSANDA!!! magazineが担当。新しいチョコレートの可能性を探求するというだけあって、個性がちょっと異様な方向で爆発しています(笑)。チョコレートの回転数に応じてさまざまなオブジェクトが現れ、それぞれのオブジェクトに固有の演出が割り当てられています。

コンセプトは「チョコレートを御神体とする異世界への旅」。サイト全体のディレクションを担当した山若マサヤさんによると、USHIO CHOCOLATLが持つ遊び心を表現するため、素材やアクション、サウンドなど細部までふざけて制作したそうです。よく企画通ったなあ……と思わざるを得ないこのサイト、真剣にふざけてます!

https://ushio-choco.com/
https://www.japandesign.ne.jp/advertising/ushio-chocolatl/

ANA「IS JAPAN COOL?」

日本のカルチャーを世界に発信するANAのプロジェクト「IS JAPAN COOL?」。その中のメインコンテンツ「SAMURAI AVATAR」では、自分の顔写真をアップして甲冑の形状や色を選び、3Dのアバターをつくることができます。デザインの組み合わせは1兆パターン以上(!)なんだとか。さらに、3Dデータとジェネレートされたテクスチャがダウンロード可能で、フルカラー3Dプリンターで出力すればオリジナルのフィギュアを出力することができます。コレは好き者にはたまりません。

また、もうひとつのコンテンツ「INTERVIEWS」では、刀鍛冶、甲冑師、墨職人、染織家、江戸切子職人、食品サンプル職人、数奇屋大工を取り上げ、職人たちの物づくり現場に密着し、その技やフィロソフィーを紹介しています。個人的には、食品サンプル職人の仕事ぶりにぐっときました!

https://www.ana-cooljapan.com/contents/craftsmanship/
https://www.japandesign.ne.jp/advertising/is-japan-cool/

そして、ANAつながり(?)で……。

ANA「WonderFLY」(404ページ)

 

ふだんはちょっとイラっとしてしまう404ページ(ユーザーがアクセスしたページが存在しない場合に、表示されるエラーページのこと)。ANA独自のクラウドファンディングのプラットフォーム「WonderFLY」の404ページは、最後まで見てしまうほっこりした魅力があります。

このページは、ANAの降機ビデオを利用しているのですが、404ページをつくろうと思っていたときに、ちょうど社内でつくっていたこの動画がぴったりだと思ったことからだったそう。動画を作成していたメンバーに相談してみたところ、「すごくいいんじゃない!?」と話はトントン拍子に進んだそうです。そもそも「WonderFLY」は、ANAグループシナジーを活かして、モノ・コトづくりを本気で目指す人の思いを実現する人の翼になるべくつくったサービスなので、そういった挑戦する人を迎えるメッセージとしてもわかりやすいですね。

ちなみに、なぜわざわざ404ページをつくったのかというと、「せっかくサイトに来ていただいたのに、本来の目的のページに行けなかったらショックかもしれない。そのお気持ちを少しでも和らげて、せめてトップページはご案内できたらと思ったのがきっかけ」とのことです。ANAという会社の精神というかスタンスのようなものがこんなところにも現れているのかも知れないですね。

https://wonderfly.jp/ana

構成・文:瀬尾陽(JDN) タイトルデザイン:上坂元均