心を動かす色使いや味、デザインで私たちを魅了するお菓子
室町時代後期の京都で創業した、老舗和菓子ブランドの「とらや」。伝統的な技術を継承しつつ、時代に合わせた和菓子をつくり続けています。そんなとらやを代表する小倉羊羹「夜の梅」は、2019年の今年で誕生から200周年を迎えました。
とらや広報の黒川さゆりさんに、「夜の梅」が生まれた背景や商品の特徴についてあらためてお聞きしました。
■商品が生まれた背景・コンセプト
「春の夜の闇はあやなし 梅の花 色こそ見えね 香やは隠るる」『古今和歌集』(春の夜の闇は無意味だ。梅の花の色が見えなくなってしまうが、その素晴らしい香りだけは隠れようもない。)
「夜の梅」は、上記に述べた歌にも見られるような情景を表現した羊羹で、切り口の小豆を夜の闇に咲く梅に見立てて、この菓銘がつけられました。菓銘は、元禄7年(1694)の古文書に見ることができますが、形や原材料については書かれていません。羊羹としての最初の記録は文政2年(1819)。また、文久2年(1862)には原材料に小豆、寒天などを記した文書が残り、この頃には煉羊羹としてつくられていたことがわかります。
■商品の特徴
とらやのお菓子づくりは、餡づくりから始まります。御膳餡(こし餡)、白餡、小倉餡、味噌餡など、種類はさまざま。それぞれの菓子に合わせて硬さや糖度なども調整しています。また、とらやの餡づくりの特徴の1つに渋きり(アク抜き)の回数の少なさがあります。回数を少なくすることで、小豆の味が損なわれず、風味がしっかりと感じられる餡になります。

(左から)夜の梅、おもかげ、新緑
また小豆は、和菓子のいのちである餡の質を左右する大切な原材料。とらやでは、北海道十勝産の「エリモショウズ」という品種を使用しています。贈答用にはもちろん、ほっと一息つく際に味わってほしい一品です。
夜の梅(中形)
サイズ | 12.7×6.3×4.1cm |
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重さ | 330g(総重量360g) |
価格(税抜) | 1,400円 |
夜の梅(竹皮包)
サイズ | 24.5×6.0×4.0cm |
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重さ | 330g×2(総重量700g) |
価格(税抜) | 2,800円 |