江戸時代からの伝統を受け継ぎ、職人がひとつひとつ丹精こめてつくりあげる江戸硝子。その中でも大正時代から続く製法「あぶり出し技法」によって生み出されるのが、繊細で淡く儚い美しさがある、大正浪漫硝子だ。熟練の職人がひとつひとつ手作業で丁寧につくりあげた、細やかで美しい紋様のガラスは、日本の伝統美を堪能できる一品。
シリーズは、純粋に硝子のかたちや質感に愛着がわく「WAYOU Clear」と、乳白色の模様が美しい「WAYOU 大正浪漫硝子」の2種類。どちらも伝統工芸の温もりとモダンを融合させたプロダクトになっている。
このプロダクトは、東京・墨田区と台湾デザインセンターが共同でおこなう「ものづくりコラボレーション」によって生まれたものだ。東京スカイツリーで賑わう墨田区は、古くからさまざまな日用品の生産地として知られてきた。墨田の技術力・商品力をさらに高め、製造業や飲食店の活性化を進めるため、2010年からはじまったブランド戦略のひとつがこの「ものづくりコラボレーション」だ。クリエイターと高い技術を持った墨田区の製造企業をマッチングし、新商品開発をおこなっている。
つくり手は1899年に創業の、東京で最も古い硝子食器会社である「廣田硝子株式会社」、デザインは台湾のデザイン事務所「HEY SHENG CHI SI」が担当。盛り付ける内容によって使い方をカスタマイズできるので、和食の普段使いにもいいし、洋のメニューにも対応する食器となっている。
墨田区産業振興課の植村聡さんは、「これまで日本のデザイナーとは実績があったのですが、台湾デザインセンターの方からお話をいただき、一緒に新商品開発を行うことになりました。2015年からスタートし、翌年に台湾で開催されたデザインイベント『ワールド・デザイン・キャピタル』では、試作品として5商品を発表し、大変好評でした。その後ブラッシュアップをし、商品化に進みました。昨年10月には『台湾デザインエキスポin台南』にも出展させていただきました」と、手応えについて話す。
製作:廣田硝子株式会社
1899年に東京で創業。日本で最も歴史のある硝子メーカーのひとつ。創業より社に伝わる貴重なデザイン資料を元に、江戸切子や吹き硝子など脈々と受け継がれる手仕事による伝統的製造を継承し、現代のインテリアに調和するプロダクトを作り続けている。
デザイン:HEY SHENG CHI SI
2011年に設立した台湾のデザイン事務所。業務内容は、プロダクトデザインや展示設計、自社ブランド製品の開発など多岐にわたる。
WAYOU Clear
シリーズ | 3種類(カップ、ボウル、皿) |
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価格(税抜) | 2,500~6,000円 |
WAYOU 大正浪漫硝子
シリーズ | 3種類(カップ、ボウル、皿) |
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価格(税抜) | 3,000~8,000円 |