心を動かす色使いや味、デザインで私たちを魅了するお菓子
更科は、信濃国(現在の長野県)の北部にある地名で、深山にかかる月の美しさと共に、歌にもよく詠まれています。季節の羊羹『新更科』は安永2年(1773年)頃のお菓子の値段帳に記録があり、その意匠は深山と満月を表現しています。
山はこし餡を使った羊羹、空と月は白餡を使った羊羹でつくられています。
とくに月が美しく見える秋。月を愛でながら召し上がっていただくのもおすすめ。(※旧暦8月の十五夜と9月の十三夜の月は、古来、特に美しいものとして鑑賞されてきました。どちらか一方の月しか観ないことは「片見月」として忌まれ、両方観ることが望ましいと言われています。)