前川國男氏設計の「京都会館」が、新たな文化芸術の拠点「ロームシアター京都」としてリニューアルオープン
これまで50年間にわたり京都の文化の殿堂として親しまれてきた「京都会館」が、1月10日に「ロームシアター京都」として新たな一歩を踏み出す。
「京都会館」は全国に先駆けた多目的な公立文化ホールとして、京都・岡崎の地に京都会館は誕生。当時の京都市は、財政的に非常に厳しい状況にあったが、市民会館建設に対する市民の強い要望もあり、市民や企業からの多額の寄付金を財源の一部として建設が実現した。設計を担ったのは、日本を代表するモダニズム建築家である故前川國男氏。岡崎地域の周辺環境との調和を考慮し、水平線を強く意識した意匠で設計されており、日本建築学会賞を受賞するなど、建物として高い評価を受けている。
開館から50年あまり経ち、施設全般の老朽化やホール機能の前近代化など、利用者や来場者のニーズに応えられない状況となってきた。こうした事態に直面し、京都市では10年間近くにわたり「京都会館」の再整備に向けた検討を重ね、2011年6月に「京都会館再整備基本計画」を策定。既存の建物を出来る限り活かし、市民の思い出とともに未来へ引き継ぐことを基本としたうえで、施設水準の向上のために必要となる再整備が行われた。基本設計は、現在の日本を代表する建築家の一人である香山壽夫氏が行った。
「ロームシアター京都」は、文化芸術の創造・発信拠点として、文化芸術都市・京都の名を高め、京都のまち全体の発展に寄与することを目指している。舞台芸術公演が行われるホール以外に、パークプラザ、ローム・スクエア、プロムナードなどの新しい施設を備えた、京都に新しい「劇場文化」を形づくられる。