虫展-デザインのお手本- 告知グラフィック

2019 / 21_21 DESIGN SIGHT

21_21 DESIGN SIGHTで行われた企画展「虫展-デザインのお手本-」の告知グラフィックのデザインを担当しました。虫展の虫の文字をそのまま「虫」に置き換えた明快なグラフィックデザインです。

虫は本当におもしろく、まったく理由がわからないような形や色、質感をしています。もちろん研究者の方々の取り組みで「理由」が解ってきているものもありますが、そのほとんどが未だによく解っていないというのです。でも、この仕事を通じて、そもそも世界というものは「よくわからないものなんだな」と深く思い、人間という存在もまた、虫と同じで、まったく意味がわからない生き物だと考えるようになりました。

デザインとはそういった「わからない人間」と向き合い関係していく営みですから、より一層デザインの仕事の豊かさについてを考えるようになりました。ポスターに配されたロゴの上には実寸サイズで「ロクロクビオトシブミ」という虫がくっついています。何故かとても首が長い虫です。小さな虫をよく観てみると、おもしろいのです。

岡崎智弘(グラフィックデザイナー)

岡崎智弘(グラフィックデザイナー)

1981年生まれ。東京造形大学デザイン学科卒業。2011年よりデザインスタジオSWIMMING設立。グラフィックデザインの思考を基軸に、印刷物/映像/展覧会など視覚伝達を中心とした領域を繋ぎながら、文化と経済の両輪でデザインの仕事に取り組んでいる。デザインの仕事は、いままで自分が知らなかった世界や事象と向き合う機会となることと、人や社会と繋がる行為となること、あたらしい世界の捉え方や構造を発見し組み立てることができる可能性に大きな魅力を感じている。多摩美術大学情報デザイン学科非常勤講師。おもな受賞歴に「JAGDA新人賞2019」、「東京TDC賞」など。

http://www.swimmingdesign.com

2021/9/8 11:35