第243回 出村光世 (プロジェクトデザイナー/プロデューサー/知財ハンター)

[桐山登士樹の推薦文]

今月紹介するのは出村光世さん。GKデザイン機構の田中一雄さんからの紹介で東日本橋の事務所を訪ねた。出村さんと話していて感じたのは、最近デザイン界で増えている美大卒ではない異業種クリエイターの参入により、これまでのデザイン領域が拡張している点だ。

システムエンジニアリング、マネージメント、プロデューサーなど、かく言う私もその一人であるが、出村さんが肩書きとして“知財ハンター”と記しているのも新鮮に映った。異脳の交流によるスキームが顕在化し、デザインの新領域は着実に成長している。さらに知財領域をプロデュースできれば、行き場が見い出せず右往左往していたデザイン界をさらに活性化することができる。アメーバ的に増殖している必然的な仕組みこそ、いま最も重要であり注目しなくてはならない。出村さんが実践しているデザイン表現、ソフトプログラムに多彩な人材が流入し、新たな価値創出が生まれることを期待したい。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

出村光世(プロジェクトデザイナー/プロデューサー/知財ハンター)

出村光世(プロジェクトデザイナー/プロデューサー/知財ハンター)

1985年石川県金沢市生まれ。早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。2011年アクセンチュアに所属時にKonelを創業。事業企画やシステム開発に従事しながら、クリエイティブ制作事業を開始。Tokyu Agencyにて広告プロデューサーとしての兼業経歴を持つ。東京、金沢、ベトナムを拠点とし、アート/プロダクト/マーケティングなど領域に縛られずにさまざまなプロジェクトを推進。プロトタイピングに特化した新施設「日本橋地下実験場」を東京の拠点として、20を超える職種のクリエイターと活動を行う。SXSWやMUTEK JPなど国内外のエキシビションにて作品を発表している。主な受賞にOne Show/D&AD/ACC/CODE Awardsなど。

https://konel.jp/