第175回 渡辺弘明 (インダストリアルデザイナー)

[桐山登士樹の推薦文]

渡辺弘明さんに先日富山に来ていただき講演していただいた。この時の内容は、伝統に裏打ちされたものづくり、マスプロダクション、セルフプロダクションの三軸の話だった。さすがにリコー、フログデザイン、ジバデザインの一線を走って来た人だけに経験豊富、どんな依頼に対してもハイセンスな引き出しをお持ちになっている。自宅で毎日愛用している「Tubelumi」もさりげないデザインだが脂ぎらないサラサラ感がよい。実はインダストリアルデザインには、このサラサラ感がとても大切だと思っている。使い手に託したデザイン(道具)は、使い手によって磨かれる。その微妙な感覚をよく知る人だ。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

渡辺弘明(インダストリアルデザイナー)

渡辺弘明(インダストリアルデザイナー)

1960年福井県武生市生まれ。株式会社プレーン代表取締役。桑沢デザイン研究所リビングデザイン研究科卒業。(株)リコー、frogdesign japanを経て渡米、frogdesign california 、zibaDESIGN勤務後1995年プレーン設立。30年間かたくなにプロダクトデザインに従事、ミニマルな造形を追求する。国内外50社以上、情報機器、事務機器、音響機器、光学機器、医療機器、文具、雑貨等あらゆる分野の製品を手がける。2011年minimalifeを設立。製品企画から販売、ブランディングに至るまで商品作り全てに関わる。グッドデザイン賞、iF design award,Red Dot Awardなど受賞作品多数。2007年よりグッドデザイン賞審査委員。