「imm cologne ケルン国際家具インテリア見本市」出展の経験から得られた、「カンディハウス」のグローバルスタンダード戦略

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「imm cologne ケルン国際家具インテリア見本市」出展の経験から得られた、「カンディハウス」のグローバルスタンダード戦略

ペーター・マリーとの協業から見えた目指すべき道

検討を重ねた結果、海外のデザイナーに“日本性、日本らしさ”を表現してもらおうと戦略を変え、世界的に実績のあるドイツ人デザイナー、ペーター・マリーさんにデザインをお願いすることにしました。京都や奈良など日本の古都を案内したのですが、直線的でミニマムなデザインこそ“日本らしさ”と直感したようです。そして、3回目の出展時、「tosai LUX(トーザイ ラックス)」シリーズを発表しました。すると、来場者の反応がこれまでとはまったく違ったのです(笑)。新規ディーラーが立ち寄ってくれたり、一度に椅子を20脚ほど発注してくださったイングランドの設計事務所もいらっしゃいました。その反応を受けて、ようやく目指すべき道が見えた気がしましたね。

ドイツ人デザイナー、ペーター・マリーがデザインした「tosai LUX」シリーズ。異邦人が鮮やかに描き出して見せたニッポン。シンプル&ミニマムに、明瞭かつ力強い造形で表現

ドイツ人デザイナー、ペーター・マリーがデザインした「tosai LUX」シリーズ。異邦人が鮮やかに描き出して見せたニッポン。シンプル&ミニマムに、明瞭かつ力強い造形で表現

2007年の「imm」のことです。象徴的だったのが弊社のブースに、韓国の「クリア社」というデザイン設計事務所が来場されました。済州(チェジュ)島のリゾート施設にスペックする日本的な家具を探していて、「tosai LUX」のソファーや椅子を中心に、高額受注に繋がりました。以来、韓国市場の専任ディーラーとしてお付き合いを続けさせていただいています。「こんなにも早くアジア市場での成果が出るとは思っていなかった」と、創業者も驚いていました。

よく「imm」と「ミラノサローネ」は比較されます。私が感じている来場者は、ある意味で大衆的な「ミラノサローネ」と比べると、「imm」はビジネスに特化した見本市という認識があります。会場の立地の良さやメディアへの露出もポイントですが、一般のお客さんが週末に集中する分、企業同士が繋がりやすい環境であることが魅力だと思います。

海外展開するために製品のグローバルスタンダード化が重要事項

「imm」は、世界最大級の家具・インテリアの見本市ですから、そこに関わる人たちの目は非常に肥えています。ハードルは高いのですが、そこで得られる知識や経験によって、インテリア・家具の成熟したエリアにおけるビジネスというものを非常に濃く勉強できたと感じています。欧米進出当初は、ビジネス以前に「立ち位置の確認」からスタートしていたかもしれません。現在では、さまざまな経験値やノウハウが蓄積されてきたこともあり、ビジネスとして活用できるところまできていると思っています。

「結果」を出すという意味で、数年前から取り組みはじめたことがあります。ラインナップのグローバルスタンダード化ですね。展開エリアが増えるほど、ブランドイメージのバラつきが課題となります。今までは、アメリカ、ヨーロッパ、アジアでは、嗜好も異なるため、それに合わせようとブランドの押し出し方を変えていました。当然、ブランドの訴求の効果は薄れてしまうものの、日本と海外との間にある感覚の違いのような部分を調整しきれずにきました。

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ただ、近年アジア諸国から日本の家具に対する需要が高くなってきており、製品だけでなく、プロモーション用の素材に対する期待値も上がってきています。当然、地域差のないブランディングの必然性が求められてきました。また、日本向け・アメリカ向けといった具合に止むを得ずラインナップを分けてきましたが、それによる効率ダウンは否めません。製品の種類が増えるほど、自社工場に負荷を強いることになり、そういった面でもグローバルスタンダードを目指すことは喫緊の課題でした。

それと合わせて、現在なるべく社内の力で業務を完結できる方向にシフトさせています。一流のクリエイターと一緒に仕事をするのは視野が広がり、とても貴重な経験になるのですが、社内のスキルアップも“自力”をつけるために必要です。これまで同様、コラボレーションしながらも、ブースのしつらえなど、社内プロジェクトを活性化させて推進したいと考えています。これも「imm」に長年参加してきた貴重な経験の賜物と思っています。

深澤直人がデザインを手がけた、椅子とテーブルのLUXコレクション「KAMUY(カムイ)」

深澤直人がデザインを手がけた、椅子とテーブルのLUXコレクション「KAMUY(カムイ)」

最後に弊社の近況ですが、10月20日に「KAMUY(カムイ)」の追加アイテムを発表しました。「TEN」の追加アイテムも開発中で、その新作を来年の「imm」に出品する(※)予定です。「TEN」と「KAMUY」は、immでの露出以来、国内外順調に推移しています。この両シリーズにさらに厚みをもたせたうえで、再アピールしていくつもりです。

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構成・文:青山竜也(株式会社フレア) 撮影:丸山尚(有限会社アーネスト)

※imm cologne 2017 ケルン国際家具インテリア見本市
カンディハウス展示ブース :Pure(Hall 11-3 Q021-P020)
カンディハウス展示面積 : 145㎡

■カンディハウス
http://www.condehouse.co.jp/

■imm cologne 2017 ケルン国際家具インテリア見本市
【主催】
Koelnmesse GmbH / ケルンメッセ会社
【会期】
2017年1月16日~1月22日
【会場】
ドイツ連邦共和国 ケルンメッセ会場
【入場料】2017年度価格
1日券:前売価格 4,700円
2日券:前売価格 7,300円
通し券:前売価格 9,900円
※為替変動等により変更される場合があります
【お問い合わせ】
ケルンメッセ株式会社
http://www.koelnmesse.jp/imm/