世界が妙だ! 立石大河亞+横山裕一の漫画と絵画

立石大河亞《ミクロ富士》1984年 森美術館蔵 ©Tiger TATEISHI 立石大河亞《ミクロ富士》1984年 森美術館蔵 ©Tiger TATEISHI

立石大河亞(立石紘一、タイガー立石)(1941-98)は、1963年、第15回読売アンデパンダン展に出品し、美術家としてのキャリアをスタートさせた。65年から漫画を描き始め、ほどなく新聞や雑誌に連載をもつまでになり、漫画家としての地位を確立する。ミラノへと拠点を移した69年には、漫画の手法である「コマ割り」を絵画にもちこみ、ストーリー性や時間的要素を取り入れた絵画を手がけた。

大学で油彩を学んだ横山裕一(1967-)は、ベニヤ板にペンキで風景や人物を描きながら、自身の絵画のスタイルを模索する日々を過ごすが、イラストの仕事を通じて、2004年に「ニュー土木」で単行本デビューを果たす。「ネオ漫画」と称される横山の漫画に明確なストーリー展開はなく、複数の登場人物による非友好的かつ目的不明な行為、謎の物体が移動、変形するさまを描写することにより、純粋な時間の流れが表される。

本展では、立石大河亞のコマ割り絵画を含む油彩、60年代から80年代に制作した漫画原画、そして、横山裕一が初期に手がけた絵画、新作漫画「アイスランド」、本展のために描き下ろした漫画原画を紹介する。立石も横山も制作に際し、私たちの暮らす世界を参照しながら、現実を引きずることなくもうひとつの世界を大胆に提示する。不条理に満ちた、妙な世界の住人が繰り広げる意味不明な会話、ナンセンスな行為など、一見「なんでもあり」な状況がもたらすユーモアは、翻って私たちの世界を改めて見つめる機会となるだろう。

【関連イベント】
●スペシャル対談
日時:2017年1月14日(土) 14:00~16:00
講師:市毛(立石)富美子+椹木野衣(美術評論家)
会場:広島市現代美術館 地下1階 ミュージアムスタジオ
定員:100名
※要展覧会チケット(半券可)、事前申込み不要

※その他関連イベントの詳細は、公式ホームページをご覧ください

開催期間 2016/10/28(金)~2017/01/22(日)
※イベント会期は終了しました
時間 10:00~17:00(入場は閉館30分前まで)
休館日 月曜日(ただし2017/1/2、1/9は開館)、12/27~2017/1/1、1/4、1/10
入場料 一般1,030円/大学生720円/高校生・65歳以上510円/中学生以下無料
参加アーティスト 立石大河亞、横山裕一
会場
  • 広島市現代美術館
  • 広島県広島市南区比治山公園1-1
会場電話番号 082-264-1121
会場URL https://www.hiroshima-moca.jp/
詳細URL https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/tateishi_yokoyama/