山口晃「すゞしろ日記」

山口晃「すゞしろ日記」

日本の伝統絵画の様式を用いて現代の事象を表現する手法で、唯一無二の絵画表現を切り拓いてきた画家・山口晃。その画業は大規模個展や芸術祭などでも広く紹介され、新聞小説や書籍の挿画・装画、CDジャケットなども手掛けるなど、活動の幅は多岐にわたる。

「すゞしろ日記」は、山口が妄想する鼻持ちならない贅沢な絵描きの生活と、それを受けてのオチを日記風に描いた絵画作品をルーツに持ち、東京都現代美術館で2004年に開催されたMOTアニュアル「私はどこから来たのか/そしてどこへ行くのか」で発表された。その後、「すゞしろ日記」という題を引き継ぎながら、エッセー漫画として、2005年より東京大学出版会のPR誌『UP』での連載が開始され、2018年の現在まで掲載回数150回を超えて愛読されている。過去の『UP』版「すゞしろ日記」や、「すゞしろ日記」風のさまざまな作品群は、作品集『すゞしろ日記』、『すゞしろ日記 弐』にまとめられ、このたびついに3作目の『すゞしろ日記 参』が刊行された。

山口は“大根という野暮ったい響きを、すゞしろと美しげに言いかえるさまに、味気ない日常を賑やかしく妄想する”という発想を「すゞしろ日記」の題に託したという。画家の日常にある“どーでもいいけど楽しげなこと”の仔細を、脱力感をまといながらも確かな筆致で描いたエッセー漫画は、大画面絵画とは異にする遊びと見どころが満載で、多くの「すゞしろ」ファンに支持されている山口の人気作だ。

本展では、12年以上にわたって描き続けられている「すゞしろ日記」の原画と、元祖「すゞしろ日記」絵画作品2点が共に展示される。妙味溢れる「すゞしろ日記」の世界を、どうぞご堪能いただきたい。

開催期間 2018/03/03(土)~2018/04/08(日)
※イベント会期は終了しました
時間 12:00~20:00
休館日 月曜日
入場料 無料
参加アーティスト 山口晃
会場
  • NADiff Gallery
  • 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
会場電話番号 03-3446-4977
会場URL http://www.nadiff.com/
詳細URL http://www.nadiff.com/?p=8907