バブルラップ

Photo by Tomohiko Tagawa
世界的に活躍する現代美術家 村上隆が、自身のコレクションをもとに展覧会を企画する。本展は、バブル経済期を中心とするアートムーブメントを軸に、1990年以降の陶芸芸術を合わせて俯瞰することで、日本の戦後の現代美術を捉えなおそうという非常に意欲的な試みである。
本展について、村上は以下のように語る。
「これは、戦後の現代美術を新しい視点で解釈しようという野心的な展覧会です。どう野心的か?というと、『もの派』や『スーパーフラット』といった命名済みのムーブメントとまだ命名されていない表現達をお団子のように串刺しにすることで、大きな物語の形をあぶり出そうという企画であり、また、1990年以降の『失われた20年』の『デフレと低成長経済』の日本国内に起きた陶芸芸術の一部的な発酵熟成の原因究明を、バブル経済真っ盛りの頃の日本のアートと相対化させて、日本人の美意識の核心部を浮き彫りにしよう、という部分が斬新と言えるからです。その全体像を包括する言葉として『バブルラップ』、つまりビニール製の梱包材の固有名詞を使うことで、まさに丁寧に梱包して、別の場所へ整理し直そう、という企画なのです」
まさにそれ自身がバブル(泡)のように次々と湧き出ていた、バブル経済期を中心とする時代の数々のムーブメントたち。それらに対し村上は、「バブルラップ※」という新たなアートのキーワードを創出した。そして現代陶芸との関係も合わせて考察しようというところが、村上ならではのユニークな視点である。
かつての「スーパーフラット」がアート界に衝撃的な一石として投じられたように、「バブルラップ」もまた、大きな波紋を巻き起こすに違いない。本展は、コレクター、キュレーターとしての村上の仕事と、常に「芸術とは何か?」という疑問に立ち向かう村上の最新のアイデアに触れられる機会となるだろう。
※バブルラップ(Bubblewrap)とは本来、割れ物などを包むための、ビニール製の気泡緩衝材を指す
【関連イベント】
●オープニング・トーク
日時:12月15日(土) 14:00~16:00
講師:村上隆(アーティスト、本展キュレーター)
場所:ホームギャラリー
●日比野克彦 公開制作
「DEPARTMENT STREET PAINTING」
日時:12月16日(日) 11:00~14:00
場所:パルコ下通側店頭
※その他イベントなど詳細は、公式サイトをご参照ください。
開催期間 |
2018/12/15(土)~2019/03/03(日) ※イベント会期は終了しました
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時間 | 10:00~20:00(入場は閉館30分前まで) |
休館日 | 火曜日、12/29~2019年1/3 |
入場料 | 一般1,000円/シニア(65歳以上)800円/学生(高校生以上)500円/中学生以下無料 |
参加アーティスト | (予定)青木 亮、青島千穂、荒川朋子、荒木惟経、安藤雅信 他 |
会場 |
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会場電話番号 | 096-278-7500 |
会場URL | https://www.camk.jp/ |
詳細URL | https://www.camk.jp/exhibition/bubblewrap/ |