hymn

2019, 2021 / Ambientec

hymn(ヒム)は、日本の照明ブランドAmbientecから発表されたポータブル照明です。この照明は伝統的な燭台を現代的に再解釈し、温かみのあるロウソクの火をインスピレーションに設計されました。

特徴的なレンズ形状と振り子、そして磁力の組み合わせを用いることで、揺らぎのある光をつくり出します。製品版hymnは、2019年にイタリア・ミラノ、サローネサテリテで発表したプロトタイプ版を元に、Ambientecチームと2年の開発期間を経て2021年に発表されました。

人類の歴史において、「あかり」は常に重要な役割を果たしてきました。その起源をたどると、「火」に行き着きます。火は、動物から身を守り、暗い夜を照らし、寒い夜は身体を温め、食べ物を調理する手段としても使われてきました。火を中心に、人々は集まり、祈り、語り合う場を共有してきたのです。このように、あかりは人間の生活に欠かせないものであり、文明の進化とともにその形を変えてきました。

揺らめく光は、静かでありながらも力強く、そして私の心を惹きつけるものでした。「火」の在り方を再考し、現代の暮らしに寄り添うようなあかりを作り出したいと思ったことがhymnのデザインの出発点です。

hymn
Ambientec / hymn (Design: Hiroto Yoshizoe ) / 2021
吉添裕人(空間デザイナー・アーティスト)

吉添裕人(空間デザイナー・アーティスト)

1986年生まれ。武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業。独立後、都市開発や商業施設開発等の空間デザインを主軸としたクライアントワークに従事。制作活動では日本の文化背景や宗教観と通ずる「変化」「動き」「時間」といった不完全で流動性のある事象を扱う。なかでも変容し続ける「光と影」の要素を軸に探究。すべての事物(素材)は光と影を瞬間的にかたちに留め、認知するための媒体であると捉え、その間に生じる現象と知覚の関係性を用いて制作を行う。HUBLOT DESIGN PRIZE 2022 Finalist、LEXUS DESIGN AWARD 2017グランプリなど受賞多数。京都芸術大学非常勤講師。

https://www.hirotoyoshizoe.com/
https://www.instagram.com/hirotoyoshizoe/

2024/8/29 14:40