
マイクロソフトでシステムやWebサイト、ユーザー・インターフェースなどのデザインを多数手がけてきた著者スコット・バークンが、私たちの身の回りにある製品やシステム、都市計画などを「デザイン」というレンズで見つめ、その製品が失敗している理由や成功している理由を説得力のある説明で紐解いていく1冊です。
すべての章がコンパクトで読みやすくまとめられていますが、「つくることとデザインすることの違い」「よいデザインとは?」「誰だって何かをデザインしている」「デザインはデザイン・チームの映し鏡」「解決策は問題を生み出す」といった章タイトルが示すように、それぞれで深い議論が行われています。本書を読むと「デザイン思考」「ソーシャルデザイン」「UX(ユーザーエクスペリエンス)」「顧客中心主義」など、現在話題に上がっているデザイン用語を冷静に見つめ直すきっかけにもなるはずです。
また、読者が身の回りの世界を見つめ直すいい道具となる「デザイン・チェックリスト」や、より深くデザインの世界に飛び込む助けとなる参考資料のリストも用意されています。
新型コロナウイルスによって目の前の世界が変わり、テレワークの推進など働き方が変化しているなか、デザインを通して社会の構造を見つめ直す本書は、コロナ以後の世界を生きるために必要な新しい視座を教えてくれるはずです。
太刀川英輔(デザインストラテジスト/NOSIGNER代表)おすすめコメント
デザインとは形を通して社会に関係性を生み出す統合的な知恵だ。本書にはデザインの知恵を育むヒントが詰まっている。
若林恵 (編集者/黒鳥社)おすすめコメント
「世の中にはびこる悪いデザインの大部分は、無能の結果と言っていい」
ユーザー視点、顧客中心主義、直感的、使いやすさ、ニーズ、UX、デザイン経営などの流行り文句に踊らされる世の無能上司たちに、まずは本書を送りつけよう。自分がその当人だったら?暗記するまで読み込もう。
発行 | 株式会社フィルムアート社 |
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著者 | スコット・バークン |
訳 | 千葉敏生 |
仕様 | 四六判、並製、240ページ |
価格(税込) | 2,200円 |
ISBN | 978-4-8459-2020-4 |