学芸出版社
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海外でデザインを仕事にする

世界の果てまで広がるフィールド

海外でデザインを仕事にする

“本書は、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、アフリカの10か国を拠点に活動するデザイナー14名が、自らの体験を綴った本である。日本を飛び出し、海外で仕事を獲得し、キャリアを積み重ねながら独自の働き方を見出していく過程は、現在進行中のビビッドなものばかり。読んでいると、彼らと一緒にデザインの広い世界を探検しているような気持ちになる。

これから海外に出ようとする人たちにとっては、14人がそれぞれに異なるロールモデルとなるだろう。留学先の選定からインターンシップの仕組み、ビザの取得や、給与水準、住宅事情や生活費など、他では得にくい有用な情報が豊富である。仕事の具体的な進め方や同僚たちとのコミュニケーションなども、読んでいて学びが多い。自力で道を切り開いている者たちらしい爽やかで熱気に満ちた文章も、読む者を駆り立てるに違いない。”

編者・岡田栄造(「まえがき」より)

松本優真(学芸出版社)おすすめコメント

海外で仕事をする。その言い回しには、どこか華やかなイメージが付きまといます。スターデザイナーのもとで働いたり、打ち合わせのために各国を飛び回ったり、世界の名だたる企業と協働してプロジェクトに取り組んだり……。そうした、ある意味で無邪気な憧れをかきたてるダイナミックな現場を垣間見る。もちろんそれはこの本のひとつの側面です。比較的近い職種に就く一人として、私自身も大きな刺激を受ける場面が随所に登場しました。


一方、その裏で本書のいわば「地」の部分を構成するもの。それは、進路選択への悩みや自身の職能への不満に直面した瞬間を振り返ったり、同僚との何気ない会話や日常のふとした出来事を思い返したりといった、素朴な暮らしの風景です。デザイナーならではの視野・視点で描かれつつも、そこには、自分もきっといつかどこかで体験したような、そしてこれから経験するかもしれない、身近なある人の記憶があります。


“海外でデザインを仕事にする”-その終止形のタイトルは、「仕事にしようよ!」という呼びかけでも、「仕事にすべきだ!」という訴えでも、「仕事にした方がいいんじゃない?」という煽りでもありません。自分なりの方法で道を切り拓き、それぞれのスケールで世界に確かな存在感を示している14人の、熱気に溢れ格好良く、それでいて素朴さにも満ちた生き方を知れば、きっとそれぞれにとってのロールモデルが見つかるはず。そんなささやかな期待と確信を込めています。


発行 学芸出版社
著者 鈴木元、森山茜、青木翔平、福定良佑、德島泰、川島高、今村ひかる、長田喜晃、青木慶一、山本尚明、清水花笑、中山雄太、小林耕太、村上あずさ
編集 岡田栄造
デザイン フジワキデザイン
仕様 四六判、272ページ
価格 2,400円(税抜)