
本書は、世界中のカフェを集めた空間デザイン資料集。新築/リノベーションを問わず、多様な事例を紹介しています。
ディテールが分かる豊富な写真、平面図とスケッチを用い、設計者の視点から優れたデザイン的工夫を読み解き、その場にとどまらない、街に波及するデザインについても考察。設計者はもちろん、カフェオーナーも必携の1冊。
古野咲月(学芸出版社編集部)おすすめコメント
「人と街をつなぐカフェという空間」
カフェブームと言われている今、街に出るとさまざまなカフェを目にします。特に最近は、そこにしかない特別な体験を提供するカフェが増えてきました。そうしたカフェは、丁寧に淹れられたおいしいコーヒーを楽しめるのはもちろん、その空間に浸りたくなるような魅力がにじみ出ているものです。
そうした得も言われぬカフェ空間の魅力を、街との関係から紐解き、設計者ならではの視点で読み解いたかつてない本ができました。著者の加藤匡毅さん(Puddle代表)は、国内外で数多くのカフェを手がける設計者であり、自身の事務所にもエスプレッソマシンを取り入れてしまうコーヒー愛好家。世界各地で設計の合間に見てまわったカフェのうち、特に魅力的な国内外の39件を厳選し、紹介しています。
本書の特徴のひとつは、とにかく資料が豊富だということ。美しい外観・内観写真はもちろん、設計者がついつい気になるディテールを撮りためてくれています。また、加藤さん直筆の寸法入りスケッチや、一目で間取りがわかる平面図も掲載。読んでいると、まるでそのカフェを訪れたかのような感覚を覚えます。
そしてもう一つの特徴は、ここで取り上げられたカフェが、道行く人、街で暮らす人たちにとってただのおしゃれな商業施設ではなく、“居場所”なのだということが加藤さんの言葉によって伝えられている点です。
魅力的なカフェ空間とはどんなデザインであり、街との関係によって生まれているのかをわかりやすくまとめています。設計者の方はもちろん、カフェオーナーの方、今後カフェを開きたいという方にとって参考になること間違いありませんし、専門的なことはわからないけどカフェが好き!という方もするする読めてしまう一冊です。
発行 | 学芸出版社 |
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著者 | 加藤匡毅・Puddle |
デザイン | 赤井佑輔、清野萌菜(paragram) |
仕様 | A5判・184ページ |
価格 | 3000円(税抜) |
ISBN | 978-4-7615-3250-5 |