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最終回
Design Trading Finland

 update 2005.03.02

リポート : 梅田弘樹 / プロダクトデザイナー  




昨年12月のリポートで少し触れたが、僕は今、Design Trading Finland (以降「DTF」)というグループの一員としても活動している。今回はこのグループを紹介してみたい。今日のフィンランドのデザインビジネスの一例、ぐらいの感じで聞いてもらえればと思う。

僕がDTFの発起人であるLauri Peltolaから最初のeメールをもらったのは去年の3月。「フィンランドの“young and innovative”なデザイナーの作品と国際市場とを結びつけるビジネスがしたい」と誘われたのだった。当時すでにフィンランドと日本で「studio UME」の製品を販売していた僕は、ヨーロッパ市場への展開に興味はありながらも何から手をつけるべきかわからない、という状態だったので、これはよいタイミングだった。

おそらくは大体同じような経緯でラウリのもとに集まったデザイナーたちは、いずれも自分のデザインを「製品」にするための生産拠点とのつながりを、それぞれが独自に持っている。生産技術に関する知識に根ざした、「作られるものとしての美」というのは、モダンデザインの重要なコンセプトのうちのひとつだと思うが、これがDTFの製品ラインナップをくくるキーワードであり、そのセールスポイントともなっている。

現在DTFに参加しているデザイナーは以下の6組 (アルファベット順)。
Susan Elo : インテリアデザイン
Rosa Ortega Grönlund : ガラスデザイン
Jukka Korpihete : 照明、インテリアデザイン
Kirsti Leppänen : ガラス、ジュエリーデザイン
Nolla Nolla (Jyri Kuparinen, Mikko Kittilä) : 家具、インテリアデザイン
梅田弘樹 : セラミック、工業デザイン全般


実はこのたび、フィンランドを離れ日本へ帰ることになりました。仙台にある東北工業大学のデザイン工学科というところで教職に就きます。というわけで、この「ヘルシンキ最前線」も今回が最終回。この3年間、こういうかたちで多くの方々に向けて情報を発信する場を与えられ、世界を広げることができたのは本当にラッキーだったと思います。その情報がどれだけ読者の方々にとって有益だったかと考えると心もとないのですが、フィンランドデザインの「現場の匂い」みたいなものをなんとなく嗅ぎ取ってもらえたのなら、嬉しいです。フィンランドでの生活 (もう丸7年!)では、日本風のしがらみから自由な反面、「僕」という個人の考え、生き方が厳しく問われる場面も多々ありました。それもこれも全部ひっくるめて、デザインというものを自分なりに見つめなおす貴重な経験だったと思います。これからは、この経験で培った哲学、ノウハウを日本という場で活かすべく、新たなチャレンジをしていきたいと思っています。今回紹介したDTFでの活動も含め、デザイナーとしての仕事も、もちろんこれまで通り続けていくつもりです。それでは皆さん、また会う日まで。ご愛読ありがとうございました。






照明器具
【 1 】 照明器具。シェードは折り曲げた樹脂シートからなる。(デザイン : Susan Elo)

ガラス容器
【 2 】 ガラス容器。ミニマリスティックな造形と細心な素材の選択。(デザイン : Rosa Ortega Grönlund)

照明器具
【 3 】 照明器具。(デザイン : Jukka Korpihete 彼については2004年12月のリポート参照)

照明器具
【 4 】 照明器具。ガラスという素材の性質を生かしたかたち。(デザイン : Kirsti Leppänen)




【 5 】 家具。(デザイン : Nolla Nolla 彼らは家具生産のための工場も自分たちで持っている。)
【 6 】 ティーポット。Eclipseシリーズの一部。(デザイン : 梅田弘樹)
【 7 】 DTFメンバー。左からGrönlund, Korpihete, Leppänen, Peltola, 梅田, Kuparinen



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