スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた

スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた

スペインは、今でこそ世界中の観光客から高い人気を誇る国ですが、歴史的には「ピレネーの向こうはアフリカである」と揶揄されたほど、他のヨーロッパ諸国にとって未知の、馴染みの薄い異国でした。しかしナポレオンの侵略とスペイン独立戦争(1808-14年)を契機にヒトとモノの本格的な往来が始まり、ロマン主義の時代にスペインは他のヨーロッパ諸国からそのエキゾチックな魅力を本格的に「発見」されてゆきます。

フラメンコ、闘牛、アルハンブラ、ベラスケス、そしてドン・キホーテ…我々が思い浮かべるスペインの典型的な「イメージ」の多くは、19世紀にこの国を訪れた外国人旅行者たちによって確立されたものでした。そしてそうしたイメージの形成、流通に大きな役割を果たした媒体が、大量に刷ることができ、簡単に持ち運びができた版画でした。

「スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた」展は、スペインに関わる版画制作の史的展開を17世紀初頭から20世紀後半までの長大な時間軸で概観し、写し伝えることのできる版画が、スペインの文化・美術に関するイメージの形成や流布にどのように貢献したか、約240点の作品から探るこれまでにない企画です。リベーラからゴヤ、フォルトゥーニ、ピカソ、ミロ、ダリら巨匠たちの仕事を含んだスペイン版画の系譜を辿ることに加え、ドラクロワやマネなど19世紀の英仏で制作されたスペイン趣味の作品を多数紹介します。

また、本展は国立西洋美術館の収蔵品を中心に、国内約40箇所から作品を拝借し、今日までの日本におけるスペイン美術の受容と豊かなコレクション形成の様相を浮き彫りにすることも試みます。

《本文は公式サイト紹介文より抜粋》

【関連イベント】
●講演会
川瀬佑介「美術におけるドン・キホーテ:スペインのヒーローになるまで」
日時:7月29日(土) 14:00~15:30
講師:川瀬佑介(国立西洋美術館 主任研究員、本展企画者)
場所:講堂(地下2F)
※要事前申込、先着100名

開催期間 2023/07/04(火)~2023/09/03(日)
※イベント会期は終了しました
時間 9:30~17:30(金・土は20:00まで)
休館日 月曜日(7/17、8/14は開館)、7/18
入場料 一般1,700円/大学生1,300円
会場
  • 国立西洋美術館
  • 企画展示室
  • 東京都台東区上野公園7-7
お問い合わせ 050-5541-8600(ハローダイヤル)
会場URL https://www.nmwa.go.jp/
詳細URL https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023spain.html