TETOTE NOTE

長丸型の窓が印象的な自社アトリエ

デザインコンセプト
担当:加藤吉宏アトリエ

約100m2の敷地に、1階から5階までのスクエアで真っ白な自社アトリエを建てた。5層からなるこの建築物は、デザイナーとクライアント、そしてつくり手と関わる人たちとのコラボレーションを意味する「テトテノート」と名づけた。

フラットな外壁面に無造作に配された長丸型の窓は、縦型と横型の2種類の開き方がある。外壁ぎりぎりに取り付けられた窓は、外部からのフラットな印象と変わり、内部では壁の厚みがさらに長丸型を強調し、よりランダムで動きのある光と陰を取り込む。このように多面的な印象を持つ窓は、多くのデザイン的情報を取り入れず、空間と最低限のディテールにより力強い関係を表現した。

各階をつなぐ階段シャフトの屋根をガラスとし、各階の壁面に光を落とし、その光は時間と共に変化していく。スチール製の階段の段板には、長丸型のパンチングを施し、より多くの光を最下階まで届くようにした。階段シャフトの打放し仕上げは、コンクリートに木目柄が出るように、表情が違うラフな仕上がりとし、より光を表現させている。

このアトリエでもうひとつ重要なデザインとして、照明スタンドの考え方がある。照明スタンドはLED懐中電灯を3台取り付けており、非常時には取り外して携帯用懐中電灯としても使用可能だ。スタンドのデザインは、ろうそくスタンドのイメージをLEDに転化した。アッパー用の照明スタンドにおいても、懐中電灯の差し込み型としている。電池は充電式とし、再利用可能なものを使用。これらのデザインは、消費エネルギーを抑えることと防災における考え方をデザインのコンセプトとした。

所在地 愛知県名古屋市中村区竹橋町37-3 テトテノート
用途 事務所
設計 加藤吉宏アトリエ
施工 有限会社ビー・ライフ
撮影 ナカサ&パートナーズ