- デザインコンセプト
- 担当:ASSISTANT
山口情報芸術センター(YCAM)の前庭の広大な芝生に、夏の間、子どもたちが自由に遊ぶことのできる場をつくった。
2棟のシリンダー状の建物は、中庭と起伏のある床を持つ内部からできている。建物内部には、マイクやカメラ、LEDなどのメディアテクノロジーが埋め込まれ、子どもたちは斜面を駆け上がり、身体を動かしながら点在するメディアを使い、新しい遊びを発見する。「コロガル・パビリオン」をどのように使いこなすかは子ども次第であり、それは普通の公園と変わりない。
この「コロガル・パビリオン」は、屋内につくられたメディア公園が拡大して、屋外版に発展したものだ。このユニークな発想でできたメディア公園が屋外に設置された本当の意味は、テクノロジーを用いた表現を軸に活動するYCAMの中で成立するメディア環境が、建物の中を飛び出し、光や風、土や草木の匂い、空の様子や鳥の声など、いつでもそこに存在しているさまざまな環境と呼応することにある。
建物によってつくり出される経験と、メディア装置によって誘発される経験の境目がなくなり、子どもたちはあらゆるシグナルを全身で感じながら遊ぶことになる。建築とメディア装置が等しく共存することで、新しい環境が生まれた。
所在地 | 山口情報芸術センター(YCAM)/山口県山口市中園町7-7 |
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設計 | 有山宙、松原慈/ASSISTANT |
構造設計 | 金田充弘、尾関美紀/東京芸術大学金田研究室 |
遊具デザイン | 会田大也、菅沼聖/山口情報芸術センター |
延床面積 | 407m2 |
敷地面積 | 8667m2 |
構造 | 鉄骨構造、木造 |
撮影 | 1~7枚目:山口情報芸術センター |