- デザインコンセプト
- 担当:石嶋設計室
JR中央線の高架化にともなって生まれた高架下に、魅力的な空間をつくり出した「中央ラインモール構想」。これは、これまで線路で南北に分断されていた街に回遊性を生み出し地域の活性化を目指したものだ。この保育園はその一環として、武蔵境駅〜東小金井駅の中間に計画された。
高架下で重機による揚重が不可能なため、現場での作業をできる限り減らすよう構法を工夫。構造は軽量鉄骨とすることで、人力での鉄骨建方ができるようにした。
細長い敷地には高架の柱が連続し、上部には桁もある。高架とはすべて50cmのクリアランス(隙間)を保つことが条件だった。園舎は必然的に高架下に入り込んだような形態となり、その外観はあたかも5両編成の電車のようになった。その5つの車両はそれぞれ保育室で、その中心を50mに渡り廊下が貫く。廊下の南側には保育室、北側にはトイレなどを設け、それぞれの車両が完結できるようにした。
仕上にはビニールクロスやヒノキ羽目板、フローリングを使い、全体のトーンは併せつつも貼り方を変化させることで車両ごとの個性を出した。
また、この園舎の特徴である長い廊下を「もうひとつの保育室」と捉えた。小窓や電車を意識したデザインを採用し、異年齢の子どもたちが接触する「子どもの社交場」としてデザイン。保育室は子どもにエアコン風が直撃しない床吹出し空調と、湿度環境を整える調湿換気装置で夏の冷え過ぎや冬の乾燥が起こらないようにした。
所在地 | 東京都武蔵野市 |
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構造 | 鉄骨造 |
規模 | 地上1階 |
用途 | 東京都認可保育所 |
敷地面積 | 997.05m2 |
延床面積 | 398.24m2 |
建築面積 | 398.24m2 |
開園 | 2014年4月 |
撮影 | 黒住直臣 |