食べるだけじゃない、ウニの新しい魅力に触れる『自然の造形美展2「ウニのない人生なんて」』

食べるだけじゃない、ウニの新しい魅力に触れる『自然の造形美展2「ウニのない人生なんて」』

渋谷のギャラリー、(PLACE)by methodにて『自然の造形美展2「ウニのない人生なんて」』が開催されている。本展は、京都を拠点に「自然の造形美」を伝える活動を展開するウサギノネドコによる「自然の造形美展」の第2弾だ。

今回のテーマは「ウニの造形美」。全世界から集めた、希少で美しいウニの魅力に迫る。

一般的には、ウニといえば黒いトゲトゲの外見をした食用のものを思い浮かべるため、「ウニ=美しい」というイメージはあまり湧かない。しかし、本展で展示されているウニは色鮮やかで模様がそれぞれ違い、独特の魅力を持つものばかり。その魅力を今回はアクリル封入、立体スキャン、3Dプリントなど様々な展示方法で引き出している。

世界に約900種生息する中から、約100種類を展示

茎部分は3Dプリンター、笠はウニ本物を使ったキノコを模した作品。ウニの独特の柄や色、質感を味わえる

茎部分は3Dプリンター、笠はウニ本物を使ったキノコを模した作品。ウニの独特の柄や色、質感を味わえる

ウニの種類はなんと900種以上に及び、そのうちの約100種類を会場で見ることができる。展示されたウニは模型ではなくすべて本物だ。トゲがある状態ではわからないが、トゲが抜けると色彩豊かな殻があらわれる。

壁に並んだ写真はウニの肛門側を立体スキャンしたもの。実際は種類によって大きさの違いはまちまちだが、あえて同じサイズで写し、個々の色や模様の違いを際立たせている。

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「正形類」と「不正形類」の2種類に分かれるウニ

ウニは分類すると、「正形類」と「不正形類」の2種類にわかれる。正形類は五角形を少し膨らませた「五放射相称」という形をしていることが特徴。不正形類はウニの中では進化した形状で、正形類では上部にあった肛門が不正形類では後部に移動し、進行方向が一定化する。

正形類 / おもに五角形を膨らませたような形をしている。色とりどりの殻を持つことが特徴で、本展では美しい模様を引き立てるためにアクリルに封入されている

正形類 / おもに五角形を膨らませたような形をしている。色とりどりの殻を持つことが特徴で、本展では美しい模様を引き立てるためにアクリルに封入されている

不正形類 / 海底や岩場で生活する正形類に対し、砂や泥の中で生息するものが多い

不正形類 / 海底や岩場で生活する正形類に対し、砂や泥の中で生息するものが多い

展示を見るまでウニについての印象が固定化されていたが、世界にはたくさんの色とりどりで個性的なウニがいることを知った。展示タイトルの「ウニのいない人生なんて」とは大げさだなと思っていたが、少しグロテスクながらも綺麗でどこか癒し系なウニたちに惹かれるものを感じる展示だった。ウニファンに限らず、その不思議な魅力を感じたい方はぜひ足を運んでいただきたい。

正形類のウニ

正形類のウニ

正形類:アカオニカゼ

正形類:アカオニカゼ

不正形類:アメリカタコノマクラ

不正形類:アメリカタコノマクラ

正形類:ナガウニ属の一種

正形類:ナガウニ属の一種

ショップでは缶バッジにウニが印刷されたユニークなお土産が

ショップでは缶バッジにウニが印刷されたユニークなお土産が