見たい、知りたい!今月のイベント―2019年1月

見たい、知りたい!今月のイベント―2019年1月

あけましておめでとうございます!「2019年」…気付けば2010年代も終わりに近づいていますね。今年もさまざまな企画や人、モノ、コトをご紹介していきたいと思っています!読者のみなさんにとって、アイデアや何かのヒントのきっかけになればうれしいです。

さて、去年の11月から開始した本企画も3回目。今年のデザイン&アート始めとして、編集部がおすすめするイベントをご紹介します。

石川直樹 この星の光の地図を写す

世界をフィールドに活躍する写真家・石川直樹さん。22歳で北極から南極まで人力で踏破、23歳で七大陸最高峰の登頂に成功し、その後も各地を縦横に旅して撮影を続けています。人類学や民俗学などの視点を取り入れた独自のスタイルによる写真は、日常や世界を見つめ直す活動としても注目されています。

本展では、北極圏に生きる人々を写した『POLAR』、各地に残る先史時代の壁画を撮影した『NEW DIMENSION』、ポリネシア・トライアングルの島々をとらえた『CORONA』など、初期から現在にいたるまでの石川さんの活動を、写真と映像作品のほか、実際に使用してきた道具なども含めて、幅広く紹介します。

「POLAR」(2007)

「POLAR」(2007)

石川さんの写真から漂うあくなき冒険心と探求心の片鱗に触れて、あたらしい年の幕開けにふさわしい今年の抱負や旅の計画などを考えてみてはいかがでしょうか?

会期:2019年1月12日(土)~3月24日(日)
場所:東京オペラシティ アートギャラリー
https://www.operacity.jp/ag/exh217/

世界のブックデザイン2017-18

本展は、2018年3月に開催された「世界で最も美しい本コンクール」の入選図書とともに、7カ国(日本、ドイツ、オランダ、スイス、オーストリア、カナダ、中国)のコンクール入賞図書を加えたおよそ200点を展示するもの。会場では本を実際に手に取って確かめ、世界最高峰のブックデザインと造本技術を楽しむことができます。

受賞図書 集合写真

受賞図書 集合写真

P&Pギャラリーで、「世界で最も美しい本コンクール」受賞図書の紹介が始まって今年で11年目。これまでの上位賞受賞図書を中心に、10回分のコンクールを振り返ります。筆者も毎年うかがうたびに2~3時間と長居してしまう本展。アイデアのかけらや、デザインのヒントを見つけに行ってみてください!

会期:2018年12月15日(土)~2019年3月31日(日)
場所:印刷博物館
https://www.printing-museum.org/exhibition/pp/181215/

ヒグチユウコ 展 CIRCUS[サーカス]

緻密なタッチで描かれた可愛くて少しダークな世界観で、女性を中心に幅広い層から絶大な支持を集めている画家ヒグチユウコさん。個展などを通じた作品発表の傍ら、『ふたりのねこ』(2014)で絵本作家としてもデビュー。さまざまな企業とのコラボレーションなどでも活動の幅を広げています。

《Circus》2018年 ©Yuko Higuchi

《Circus》2018年 ©Yuko Higuchi

本展は初期作品から最新作まで、約20年の画業の中で描かれた500点を超える作品を展示する初めての大規模な展覧会。奇想の画家・ヒグチユウコさんが描く猫や少女、キノコ、この世ならぬ不思議な生物たちが繰り広げる、楽しくてどこか切ない世界観に浸りにいってください。

会期:2019年1月19日(土)~3月31日(日)
場所:世田谷文学館
https://www.setabun.or.jp/exhibition/next.html

京都dddギャラリー第219回企画展 組版造形 白井敬尚

本展のタイトルにもなっている「組版造形」は、タイポグラフィというデザイン要素の中でも、「紙面に文字組版を配置・構成した空間を含む造形」のこと。ブックデザインやエディトリアルデザインを中心に活動を続ける白井敬尚さんによる本展は、美しい装丁の数々を紹介するのと同時に、基本的には墨文字1色の見開きページがずらりと並ぶ、ちょっと異色の展覧会となるそう。

白井敬尚さんの代表的な仕事の一つである、デザイン誌『アイデア』(誠文堂新光社)のアートディレクション。振り幅の大きい多様なテーマを取り扱う同誌のデザインを2005年から10年間にわたり手がけました。その1号1号が1冊の作品集のような充実ぶりで、とても魅力的なコレクションとなっています。

design by Yoshihisa Shirai

design by Yoshihisa Shirai

本展では白井さんによるこれまでの仕事とともに、制作にあたって参照された資料なども併せて紹介。表層だけではない実に奥深い組版造形の世界を、じっくりと堪能できる時間となるに違いありません。ブックデザインやエディトリアルデザインに興味のある方は必見です。

会期:2019年1月12日(土)~3月16日(土)
場所:京都dddギャラリー
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=2&seq=00000734

大原の身体 田中の生態

描き文字をはじめとするタイポグラフィを基軸とした表現で、音楽関連のデザインワークや広告といったクライアントワークに従事する一方、独自のスタンスで、言葉と文字の知覚を探るプロジェクトに取り組む大原大次郎さん。国内外のアーティストの作品集ブックデザインをはじめ、美術館やコマーシャルギャラリーのVI計画、芸術祭や展示会のアートディレクションを手がけ、アーティストデュオ「Nerhol」としても活動する田中義久さん。

本展は活動の領域は異なるものの、その表現手段や方法論を独自の文脈で深め、同時代のデザイナーとしてキャリアを重ねてきた二人が、それぞれのなかにあるデザインの本質を互いに読み解いてみようという試みです。

上:大原大次郎「稜線」 Photograph:ホンマタカシ <br />下:田中義久「nerhol Promenade/プロムナード 金沢21世紀美術館」 Photograph:山中慎太郎 (Qsyum!)

上:大原大次郎「稜線」 Photograph:ホンマタカシ
下:田中義久「nerhol Promenade/プロムナード 金沢21世紀美術館」 Photograph:山中慎太郎 (Qsyum!)

お互いを研究対象の素材とし、「身体」と「生態」という切り口をもとにそれぞれを解剖。そのリサーチによって生み出された成果物とプロセスが展示されます。各分野から支持を集め、たくさんのファンがいるお二人のコラボ、とてもお腹いっぱいな豪華な企画になりそうです!

会期:2019年1月11日(金)~2月14日(木)
場所:クリエイションギャラリーG8
http://rcc.recruit.co.jp/g8/exhibition/20190111/20190111.html

辰野登恵子 オン・ペーパーズ

1950年に長野県岡谷市に生まれ、東京藝術大学で学んだ辰野登恵子さん。1970年代にドット(点)やグリッド(格子)、ストライプなどの規則的なパターンを用いて、理知的で抑制された表現の版画を発表し、若くして注目を集めました。ほどなく制作の中心を油彩に移し、豊潤な色彩で有機的な形象を描く独自の抽象表現を追求、2014年に亡くなるまで自らの絵画を深化させ続けました。

辰野登恵子《WORK 77-D-10》/1977年/シルクスクリーン、紙/個人蔵/©辰野剛、平出利恵子/撮影:岡野圭

辰野登恵子《WORK 77-D-10》/1977年/シルクスクリーン、紙/個人蔵/©辰野剛、平出利恵子/撮影:岡野圭

これまで大型の油彩が高く評価されてきましたが、本展では版画やドローイングなど紙の上の表現に光を当て、作家の画業を再検証。紙の仕事を傍らに、辰野登恵子の絵画を捉え直すこと。これまでまとまった展観の機会が限られていた紙の仕事を中心に、油彩30点を含む約220点の作品で40年あまりの軌跡を振り返ります。

会期:2018年11月14日(水)~2019年1月20日(日)
場所:埼玉県立近代美術館
https://www.japandesign.ne.jp/event/tatsunotoeko-tmmas/

写真やアート、デザインなど、今年も都内をはじめ全国でさまざまな展覧会やイベントが開かれることでしょう。「気づいたら終わってた…!」という残念な気持ちにさせないよう、JDNでは今年も読者のみなさんにおすすめしたいイベントをピックアップしていくのでお楽しみに!

構成・文:石田織座(JDN) タイトルデザイン:小幡彩貴