敷居を越える一週間、「Design Week Kyoto ゐゑ 2016」出張レポート(KYOTO ART HOSTEL kumagusuku)

敷居を越える一週間、「Design Week Kyoto ゐゑ 2016」出張レポート(KYOTO ART HOSTEL kumagusuku)

“敷居を越える一週間”をテーマにした「Design Week Kyoto ゐゑ(いえ)」は、京都市内のさまざまな工房やオフィスが開放されるイベントです。普段入れない「クリエイティブの現場」でクリエイターと会話したりワークショップに参加することで、あたらしい京都の一面を知ることができます。第一回目となる今回は、2016年2月21日~28日の期間で開催されました。

好きな神社がいくつもあり、京都には毎年訪れているのですが、これまで「ものづくり」という視点で京都を見たことはありませんでした。今回、「京都でデザインウィーク? しかも記念すべき第1回目」ということで、1泊2日で取材に行ってきました!

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参加店舗やオフィスは約140組。今回は2月21日~22日に参加したものにしぼってレポートします。

・オープニングイベント
・NOSIGNER京都オフィス 展示&オープンオフィス
・KYOTO ART HOSTEL kumagusuku
・中村ローソク
・つづれ織工房 おりこと
・修美社

KYOTO ART HOSTEL kumagusuku

日時:2016年2月21日~28日
会場:KYOTO ART HOSTEL kumagusuku(京都市中京区壬生馬場町37-3)

中京区にある「KYOTO ART HOSTEL kumagusuku」は、アートとホステルを合わせ、展覧会の中に宿泊し、美術を“体験”として深く味わうことができる宿泊型のアートスペース。展覧会は、年一回のペースで開催され、そのたびにまったく違う宿泊空間に変貌を遂げます。

「Design Week Kyoto ゐゑ」の期間中は、常設作品「工芸の家」とその制作ドキュメントを展示、そして、普段は宿泊客のみ鑑賞可能な企画展も特別に一般公開しました。

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中庭から店内の方を見た景色

常設作品「工芸の家」は、APP ARTS STUDIOによって行われたプロジェクトのひとつで、工芸家がいかにして建築に関わることができるかと考えられたものです。KYOTO ART HOSTEL kumagusukuの空間づくりにはアーティストの安藤隆一郎さん、石塚源太さん、染谷聡さん、中村裕太さんの4名が携わり、建物の既存の部位や表情を活かしつつ、床・壁・柱などにそれぞれの素材と技法(染め、漆など)を用いた改装を施しています。建物の経年変化とともにその土地の風土に根付いていく空間を演出しています。

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安藤隆一郎さんによる「染め木の壁」。抜染や染色技法を使い、木塀の吸い上げを見立てた壁面を演出したもの

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中村裕太さんによる「陶片の土間」。日本中からさまざまなタイル片を蒐集し、それらを三和土(たたき)で押し固めてできた土間

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柱の一本一本にも細やかな装飾が施されています

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枝がニョキニョキと生えている、ユニークな柱も発見

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2016年9月末まで開催の企画展「THE BOX OF MEMORY-Yukio Fujimoto」。空間そのものをモチーフとし、建物を一冊の書物としてとらえた展示

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2階の踊り場。壁や床にもアート心をくすぐるような装飾が施されていました

ところどころに木の温もりを感じ、時がゆっくりと流れる施設は、のんびりと自分の時間で旅をしたい人にすごくおすすめです。個人的に一番グッときたのは、土間のタイルと柱に施された装飾。宿泊中はそんな空間の中で小さな発見をしたり、自分のインスピレーションを刺激されそうです。次回はぜひ泊まってみたいホステル。

石田織座(JDN編集部)

KYOTO ART HOSTEL kumagusuku
http://kumagusuku.info/

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