これからの建築の可能性「予感の予感」を示す「藤本壮介展 未来の未来」

これからの建築の可能性「予感の予感」を示す「藤本壮介展 未来の未来」

国内外に十数ものプロジェクトを同時に抱える、日本を代表する建築家のひとり藤本壮介氏。過去の主要プロジェクトや現在進行中のプロジェクトを通じて、藤本氏の思考や創作の過程、これからの建築の可能性を提示する展覧会「藤本壮介展 未来の未来」がTOTOギャラリー・間で開催中だ。住宅から公共建築まで100を越えるプロジェクトに挑んできた藤本氏は、人と空間のあり方や都市とのつながりを意識しながら試行錯誤を繰り返してきた。この展覧会は、藤本氏が改めて建築について問い直す「思考の実験」であり、これから建築の可能性を示されるものとなった。

藤本壮介氏

藤本壮介

本展覧会の第1会場と中庭にかけては、これまでに手掛けたプロジェクトや進行中のプロジェクトから、100あまりの模型が展示されている。実際の完成形に近いものから、アイデアの原型に近いものまで並ぶ。例えば「House NA」や「Liget Budapest House of Hungarian Music」などの模型は比較的完成形に近く、逆に「Tokyo Apartment」はアイデアの最初期の模型が展示されている。

展示作品

展示作品

展示作品

展示作品

展示作品

展示作品

展示方法は時系列ではなく思考の連続性を重視しているとのこと。隣り合う模型に何かしらの思考の連続性を見出すことができるだろう。第2会場では、現在の藤本氏が模索する次の時代へ向けた建築の未来象、「まだ建築になりきれていない、予感の予感のようなもの」が示されている。

会場の様子

会場の様子

展示作品

展示作品

展示作品

展示作品

展覧会のタイトルは、潜在的な可能性に形を与える作業の顕在化を「未来の種としての建築」と考え、未来へと投げかけられた種がまた新しい未来をつくり出すことをイメージしてつけられたものだ。

この展覧会の開催にあたって、藤本氏の20年にわたる設計活動を総覧した「Sou Fujimoto Architecture Works 1995-2015 藤本壮介建築作品集」が合わせて発行される。こちらは時系列で107作品が掲載されている。写真や図版、藤本氏自身による作品解説とキャッチフレーズによって紹介される。また、ユニークな試みとして、各プロジェクトのインデックスに、関連するプロジェクトナンバーが紐付けされている。このリンクをたどることで、コンセプトの進化~熟成の思考の連なりを横断的に追うことができる。

展示作品

展示作品

展示作品

展示作品

展示作品

展示作品

展示作品

展示作品

藤本壮介展 未来の未来