2015年ミラノ国際博覧会(ミラノ万博)で日本館内展示の一つとして「クールジャパンデザインギャラリー」が設置される。デザイナーの佐藤オオキ氏(nendo)と伝統的工芸品の匠が共同で制作した工芸品を展示し、世界に向けて日本の技をアピールする。
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常滑焼のコースター / 和菓子の落雁でよく使われる形をモチーフにした(有限会社鴻陽)
ミラノ万博は「地球に食料を、生命にエネルギーを」をテーマに5月1日から10月31日まで開催。経済産業省は、ミラノ万博が開催される2015年を「匠の技発信元年」と位置付け、海外に積極的に日本の匠の技を発信する。
今回、「クールジャパンデザインギャラリー」に展示される工芸品は13産地16品目。作品と空間はすべて「黒」で統一されている。これは『陰翳礼賛(谷崎潤一郎著)』にインスパイアされたもので、色彩情報を取り除くことで質感の多様性や職人の技術力を鮮明に浮かび上がらせる演出だという。食の空間をそのまま展示空間へ、という思いからテーブルと椅子を展示台として使用。テーブルと椅子は奥に進むほど上に引き伸ばされたような形状で、入口から見るとあたかもテーブルの上のすべての作品を俯瞰している感覚になるという。
![総合デザインを担当したnendoの佐藤オオキ氏](https://www.japandesign.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2015/03/DSC00937.jpg)
総合デザインを担当したnendoの佐藤オオキ氏
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奥の方ほどテーブルが高くなっており、高いところにある作品は椅子にあがって展覧する仕様
以下、佐藤オオキ氏と匠がタッグを組んで生み出した工芸品をいくつか抜粋して紹介する。
※写真2枚目、5~10枚目:photos by Hiroshi Iwasaki
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山中漆器の汁椀 / 椀の内側は波紋のような凹凸がある。この曲面が光の反射を生み、漆のツヤ感を引き出している(漆工房 大島)
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薩摩焼の小鉢 / 「貫入」という意匠的なひび割れに顔料を加えることで、白い素地から黒いグラデーションが生まれた(御茶碗屋 つきの虫)
![西陣織のランチョンマット / 「紙を織る」という技術に着目し、海上保安庁発行の海図を刻んで素材に使用。耐水性が高いためランチョンマットに最適(株式会社 細尾)](https://www.japandesign.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2015/03/CJDG_cs005.jpg)
西陣織のランチョンマット / 「紙を織る」という技術に着目し、海上保安庁発行の海図を刻んで素材に使用。耐水性が高いためランチョンマットに最適(株式会社 細尾)
![高岡銅器のカトラリー / 丸・三角・四角という単純形態をモチーフとし、質感を強調したデザイン(株式会社 高田製作所)](https://www.japandesign.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2015/03/CJDG_cs006.jpg)
高岡銅器のカトラリー / 丸・三角・四角という単純形態をモチーフとし、質感を強調したデザイン(株式会社 高田製作所)
![江戸切子のグラス / 細かいカッティングを複数施すことが多い切子だが、一筋のみでカッティングの美しさを表現した(木本硝子 株式会社)](https://www.japandesign.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2015/03/CJDG_cs012.jpg)
江戸切子のグラス / 細かいカッティングを複数施すことが多い切子だが、一筋のみでカッティングの美しさを表現した(木本硝子 株式会社)
![美濃焼のお皿 / 「金継ぎ」という割れた器を糊漆で繋ぎ合わせて修復する技法を用い、同じ形状で異なる色の器をカットし繋ぎ合わせ、新しいパターンのお皿に(株式会社 深山)](https://www.japandesign.ne.jp/wp/wp-content/uploads/2015/03/CJDG_cs014.jpg)
美濃焼のお皿 / 「金継ぎ」という割れた器を糊漆で繋ぎ合わせて修復する技法を用い、同じ形状で異なる色の器をカットし繋ぎ合わせ、新しいパターンのお皿に(株式会社 深山)