その日の気分で色と香りをカスタマイズできるホームフレグランス「& hugs(アンド ハグス)」。さまざまなフレグランス商品を扱う株式会社大香の新ブランドです。
2025年4月に発売開始したディフューザーセットのデザインは、クリエイティブディレクター/デザイナーの辰野しずかさんが手がけました。本記事では、「& hugs」誕生の背景やコンセプトなどを紹介します。
■背景
2020年より2年に1度「HOME FRAGRANCE TREND BOOK」を発行している大香。このブックレットでは、世界のフレグランストレンドと消費者行動や価値観、ライフスタイルのメガトレンドを融合させ、未来のフレグランス動向を発表しています。
コロナ禍を経てフレグランスが日用品としての役割を増したことを背景に、香りを新しい価値観として提案するため、2022年末よりプロジェクトをスタートさせ、「& hugs」が誕生しました。
■コンセプト
その日、その人の気分に寄り添い、ユーザー自身が香りのブレンドを楽しむことができるホームフレグランス「& hugs」。
等身大の自分を包み込む基本の香り「Hugs/ハグスル[イエロー](ベースノート)」に、「Hasty/オッチョコチョイ[レッド]」、「Lazy/グウタラ[グリーン]」、「Sensitive/キニシチャウ[ブルー]」というその時々の感情を表現した3種類の香り(トップノート)をブレンドし、香りとその香りを表す色がおりなすグラデーションを楽しめます。
■特徴
使い方は、香料をすりガラスの器に入れ、そのあと和紙を筒状に丸めて器に入れます。和紙が香料をゆっくりと吸い上げ、にじみが広がって香りが漂います。
ディフューザーのデザインは、シンプルでありながら、精緻で豊かな感情を引き出すデザインに定評がある、デザイナーの辰野しずかさんが手がけました。器は、美術品の加工を得意とする国外の工場に制作を依頼。切削した分厚いガラスに擦り加工を施し、繊細かつシャープな佇まいに仕上がりました。
また、香料を吸い上げる紙フィルターには、水墨画に用いられる、阿波和紙の竹和紙を採用。吸水性と発色に特化していることから「&hugs」の特徴である、マーブル状のカラーグラデーションが美しく表現されます。
■デザイナー・辰野しずかさんのコメント
「一般的にネガティブだと思われているユーザーが持つ感情を、このアイテムが受け止め、肯定してエールを送るプロダクトにしたい」というご依頼を受け、感情や香りという見えないものを表現するために、「感情や香りを視覚的にも楽しめるプロダクト」をコンセプトにデザインしました。
ユーザーのネガティブな感情を癒す香りと、その感情をハグする(受け入れる)コンセプトの香りがついた2色の液体を、ユーザー自身のカスタマイズで調香・調色し、それをフィルターが吸い上げて混ざり合うことで、使用する度に新たなマーブル状のグラデーションと香りを楽しめる仕様になっています。
フィルターは、製作チームとの検証のもと、吸水性に特化し美しいグラデーションを描く阿波和紙の竹和紙を使用しています。ガラス本体は、分厚い半透明ガラスの屈折効果で色や模様が柔らかく広がる視覚効果を狙い、プロダクトの根幹になるグラデーションがより情緒的に楽しめるシンプルな形状に設計しました。