心を動かす色使いや味、デザインで私たちを魅了するお菓子
今回は、谷川俊太郎や萩原朔太郎の作品をチョコレートにした作品をご紹介します。EYECON SHOPに、商品やパッケージの特徴などについてうかがいました。
■背景・コンセプト
あらゆるジャンルの出版物が、オンライン上だけで消費されることが多くなった時代において、「存在に手で触れること」「所有/共有すること」のよろこびを再認識してほしいとはじめたプロジェクトです。
■特徴
EYECON SHOPのチョコレートは、活版印刷に着想を得て開発しました。チョコレート本体に、谷川俊太郎さんの詩の代表作の中より『朝のリレー』、1952年6月に刊行されたデビュー作『二十億光年の孤独』の中から同名の詩『二十億光年の孤独』、萩原朔太郎さんの純情小曲集(1925年)より『月光と海月』の内容を刻んでいます。
見た目だけではなくおいしさも重要であると考えたため、カカオ豆からチョコレートになるまでの全工程を一貫してひとつのつくり手が担当する製法「ビーントゥバー」を採用。国内でのビーントゥバーチョコレートの先駆けとなった東京・深沢の工房「xocol」に製造を依頼しています。
材料はカカオと種子島産の粗糖のみを使用し、脂分の追加や香料の添加などを行わず、カカオ本来の味わいや香りを楽しめる自然のチョコレートに仕上げています。あえて溶かし込まずに入れた砂糖の食感がアクセントとなっています。
また、それぞれカカオの種類を変えており、『朝のリレー』はウガンダ アルチザンファーム、『二十億光年の孤独』はペルー アマゾナス、『月光と海月』はホンジュラス マヤンレッドなど、違いも楽しめるようにしています。
■パッケージ
文学(詩)とチョコレートのみの空間がお手元に拡がることを第一に考えました。また、チョコレートがとても割れやすい商品のため、保護する機能性も重視したパッケージデザインにしました。
『朝のリレー』のキャラメル箱は、朝の光を連想させる純白の大和板紙「白龍A」を採用し、上質で風合いある仕上がりにしました。9mm厚の薄型のキャラメル箱は、シンプルでシャープな印象を与えます。文字は活版印刷で、黒のインキに少しシルバーを混ぜており、光の当たり具合で違った表情を見ることができます。
『二十億光年の孤独』は、大和板紙の「ブラックS」を使用し、宇宙の闇を連想させるキャラメル箱を製作。上質で風合いある漆黒の板紙に、銀のインキで活版印刷を施しました。
『月光と海月』の箱には、大和板紙「アスカA」を使用し、みやこ染の染料で手作業で浸し染めにしました。そのため、箱は染めムラや色味などが1点ごとに異なります。箱の文字にはブラック箔の箔押しを採用しています。
また、それぞれのチョコレートを包むアルミにも活版の空押しを施し、細部まで質感を楽しんでいただけるようなパッケージになっております。
現在オンラインショップのみの販売ですが、2023年11月に東京都目黒区八雲にて、実店舗を開店することが決定しました。
ブラント:EYECON SHOP
活版印刷、文学を融合させたチョコレートをメインに、素材、風合い、手仕事にこだわった商品をご提案しております。音楽パッケージのアートワーク制作を主業とするデザイン会社「EYECON Ltd.」が企画運営。
サイズ | チョコレート:W115×D80×H4mm、パッケージ:W120×D84×H9mm |
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種類 | 谷川俊太郎「朝のリレー」、谷川俊太郎「二十億光年の孤独」、萩原朔太郎「月光と海月」 |
素材 | カカオ、砂糖 |
重量 | おおよそ33g |
価格(税込) | 1,400円 |