SEVEN

「安定と不安の間」をテーマにした、新しい構造の風鈴

絶妙なラインとバランスで成り立つ、オブジェのような「SEVEN」。実は風がなびくとリーンリーンと涼やかな音が鳴る、新しい構造の風鈴です。

この作品をデザインしたのは、デザイナーの小泉創さん。特殊な構造を使用してつくられたという作品の特徴やコンセプトなどについて、小泉さんにコメントをいただきました。

■背景・コンセプト

「SEVEN」はテンセグリティ構造を活かした、新しい構造の風鈴です。テンセグリティ構造とは、「Tension(張力)」と「Integrity(統合)」を合わせた造語で、圧縮力と張力が釣り合うことで安定する構造のことを指します。

「SEVEN」は「安定と不安の間」をテーマにした自主プロジェクトの一環としてスタートしました。近年、人や社会が常に安定と不安定の間を揺れ動き、一喜一憂し漂いながら生きている状況を、テンセグリティ構造によって表現しています。

SEVEN

■特徴

真鍮でできたすべてのパーツは、絶妙なバランスで成り立っています。バランスを保つには精度の高い技術力が必要とされたため、金属加工で知られる富山県高岡市にて製作をおこないました。「SEVEN」は高岡のものづくりの特徴である分業制でつくられており、総指揮をとっていただいた佐野政製作所をはじめ、鋳物・曲げ加工・溶接など、各分野のスペシャリストの技術力が集結したことで、はじめて成立しています。

「SEVEN」のネーミングの由来はふたつあり、一つはテンセグリティ構造を活かしたことで、横から見ると“7”を組み合わせた形状になっていること、そしてふたつ目は高岡の分業制により、合計で“7つ”の工場とその職人によって製作されていることから名付けられています。

■デザイナー・小泉創さんのコメント

安定と不安の間には人の感情を動かす何かがあると考えています。「SEVEN」は一見浮遊しながら安定しているように見えますが、風などの外部からの力が働くことで、均衡を保つために揺れが発生します。この揺れを音に変換することで、空間に音色を響き渡らせ、日々の生活に癒しや彩りを与えます。

SEVEN

サイズ 195φ H215
素材 真鍮
デザイン 小泉創
製作 佐野政製作所