SUMU カトラリー

ジルコニアの特性を生かした、味を邪魔しないカトラリー

マットで独特な質感を持ち、柔らかく光を反射する「SUMU カトラリー」。この商品は、ジルコニアという素材に特化したプロダクトブランド「ZIKICO」から発売されたカトラリーシリーズです。

今年の7月に開催された見本市「Interior Lifestyle Tokyo」で商品を実際に手に取ったときの、軽さや手ざわりの滑らかさ、主張しすぎないパッケージの美しさが強く印象に残っています。代表の山瀬光紀さんに、ジルコニアという素材との出会いや商品のコンセプト、特徴についてお聞きしました。

■商品が生まれた背景・コンセプト

20年ほど前に私がドイツに住んでいた頃、日本の素材メーカーが私の勤め先にジルコニアのプロジェクトを持ち込んだことが、このブランドのはじまりです。当時、ジルコニアの研究は医療用途と電子産業用途で進められ、素材の特徴からいろいろな応用が考えられていましたが、加工方法は十分に確立されていませんでした。

SUMU カトラリー

パッケージは、カトラリーの形を浮き彫りにさせたエンボス加工が施されています

私は帰国後にジルコニアの研究チームを結成し、開発をスタートさせました。開発対象にカトラリーを選んだ理由は、友人に日本料理を振る舞おうとした際、鰹節の出汁の味が金属のスプーンではよく分からないという経験があったからです。そこで、ジルコニアならば金属イオンによる負の影響をなくすことができると考えました。

■商品の特徴

商品のバリエーションは、ディナーシリーズ、デザートシリーズ、スモールシリーズの3つ。すべてのシリーズに共通して、ヘッドの部分はジルコニア、柄の部分は樹脂でつくられています。色はヘッドの部分は白と黒の2パターン、柄は黒のみです。パッケージも含めたデザインディレクションは、手工業デザイナーの大治将典さんに担当していただきました。

SUMU カトラリー

SUMU カトラリー

特徴としては、ジルコニアを活用しているため、一般的な金属のカトラリーに比べて50%ほど軽いこと。そして、ジルコニアは金属イオンをまったく放出しないため料理の味を損なわず、金属アレルギーを起こすこともありません。また、先端部のジルコニアのなめらかな仕上がりと薄い形状は料理を捉えやすく、口に含んだときのなめらかな口触りと口からの抜けの良さは料理を味わうことへの集中を助けます。

■使用した技法や特徴

ジルコニア部分の生産には、溶かして形づくることが難しい金属に応用されてきた「冶金(鉱石などの原料から有用な金属を採取・精製・加工し、目的に応じた金属材料・合金を製造すること)」という技術を応用しています。水を加えても粘土にならないジルコニア粉末に、この冶金を応用することで加工を可能にしました。柄は射出成型という、溶かした樹脂を金型に流し込んで形にする方法でつくられています。

最終的に、別々につくったヘッドと柄を組み合わせ、ブランドマークの形をした目釘で留めています。

SUMU カトラリー

ブランドマークの形の目釘

パッケージの側面にもブランドマークが入っています

パッケージの側面にもブランドマークが入っています

ZIKICO
ブランドコンセプトは、“鉱物から生まれた、清らかな道具”。「宝石のような、硬さ」「金属のような、しなやかさ」「磁器のような、ノンアレルゲン」という3つの異なる特性を併せ持つジルコニアという素材を一言で表すには“清らかさ”だと考え、ジルコニアの“清らかさ”を活かした製品を作っている。
https://www.zikico.com

SUMU dinner

バリエーション Knife、Fork、Spoon、Soup Spoon
素材 ジルコニア、樹脂
価格(税別) 4,300~4,500円

SUMU dessert

バリエーション Knife、Fork、Spoon、Spatula
素材 ジルコニア、樹脂
価格(税別) 3,800~4,000円

SUMU small

バリエーション Fruit fork、Coffee spoon
素材 ジルコニア、樹脂
価格(税別) 3,200円

SUMU Cutlery Rest

素材 ジルコニア、樹脂
価格(税別) 4,700円