新しい素材や色、形によって生活に彩りを添えてくれるモノ
2019/1/30 13:25
2016年に陣めぐみと陣信行によってスタートした、bubunによるガラスのジュエリー「blank」シリーズ。
「blank」という名前には、「身体にとっての余白」と「ジュエリーにとっての余白」という二重の意味が込められており、その形体には身体とジュエリーが互いに補い合う関係であるという考えが反映されている。
モチーフは円柱、円弧、半球といったシンプルなものばかりだが、そのひとつひとつには着用する部位への配慮が隠れている。ピアスポスト周りの切り欠きやリングの穴の角度など、最小限の仕掛けが、幾何学的で大胆な形体を身体に寄り添うジュエリーへと変貌させている。
素材として採用している耐熱ガラスは比重が小さいため、ボリューム感のあるデザインながらも手に取ると思った以上に軽く感じる。制作はガラスを常温で切削研磨加工する技法である「コールドワーク」を用い、すべてのピースがさまざまな形体の母材から手作業で切り出され、形を整えられていく。
曇ったようなすり加工を施したガラスの塊はぼんやりと光を帯び、ソリッドでありながら柔らかな印象も持ち合わせている。まるでガラスというマテリアルで何もない空間に輪郭を与えているような、不思議な存在感が魅力のジュエリーだ。
コンテンポラリージュエリー制作ユニット:bubun
陣めぐみと陣信行の2人で2016年に活動を開始。ガラスや革など原始的なルーツをもつ素材を用いて作品を制作している。ユニット名の由来は、作品があらゆる意味において身に着ける人自身の "部分" となることを目指していることから付けられた。