第264回 稲垣揚平 (デザイナー)

[桐山登士樹の推薦文]

富山県のデザインセンターに勤務するようになって29年になる。そんな長い時間の中で、金沢を拠点に活躍するデザイナー稲垣揚平さんと出会った。本人には申し訳ないのだが、最初の出会いの記憶が思い出せない。でもデザインセンターで開催するイベントや金沢でのイベント、時に東京の展示会などで顔を合わせることもあった。さらに私を混乱させるのはデザイナーとしての印象と同時に、JIDA(公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会)の北陸支部を支えている人という印象がとても強い。

大手インハウスデザイナーを経験して独立した稲垣さんだが、実に自然体で気負いがない人だ。北陸の企業を中心にナチュラルで心地よいデザインを提供してくれる要のデザイナー、さらなる今後の活躍を期待したい。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

稲垣揚平(デザイナー)

稲垣揚平(デザイナー)

1972年生まれ。金沢美術工芸大学卒業後、積水樹脂株式会社のデザイン部門にて、日用品から公共用品まで、幅広い事業ドメインの事業戦略や商品デザインに携わる。2005年に、金沢市でAGEDESIGNを創業。2012年には、伝統工芸産地の活性化を目指した自社ブランド「hiracle®(ひらくる)」を立ち上げ、国内外へ展開。さまざまな企業のデザインプロジェクトに携わる傍ら、デザイン経営の理解を深めてもらう啓蒙活動も積極的に行っている。グッドデザイン賞・石川県デザイン賞など受賞多数。公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会会員/金沢美術工芸大学 非常勤講師。

https://www.agedesign.co.jp/