第239回 千星健夫 (デザイナー)

[桐山登士樹の推薦文]

今年2月にフランクフルトで開催されたアンビエンテで、千星建夫さんのデザインを拝見し、東京青梅にある精興社のことを思い出した。たしか岩波書体と言われた、独自の活字を作り活版印刷を行っていた。活字ならではの独自の風合いを醸し出し、一文字一文字が丁寧に扱われていた。日本語っていいなと感じた。調べてみると1995年に活版印刷は終了したようだ。千星さんのデザインは、失った記憶を蘇らせるような存在感がある。デザインはアナログで安堵感がある。マスプロダクションになれた時代へ新鮮なジャブを送る。久しぶりにモノ(デザイン)と対峙する時間が持てた。すこし時間を止めて、職人・千星さんのデザインに触れて見てはどうだろうか。そこになにか記憶の封印を解く鍵がある。新鮮な瞬間がある。

designディレクター桐山登士樹

桐山登士樹

デザインディレクター

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

千星健夫(デザイナー)

千星健夫(デザイナー)

1976年兵庫県生まれ。GRAPHIC/WEB/PRODUCTとジャンルをはみだしたデザインを手がける。写真撮影や活版印刷も自らおこなう。デザイン事務所勤務を経て、2014年「NECKTIE design office」を設立。Young Designer Award 2018(Interior Lifestyle)受賞。朗文堂タイポグラフィースクール新宿私塾講師。

http://www.necktie.tokyo/