第217回 山口英文 (プロダクトデザイナー)

[桐山登士樹の推薦文]

私がデザイナー紹介で最初に決めた年齢基準(目安)、アンダー50をちょっと上回る山口英文さん。1998年にフリーランスとして独立し、その後法人化。まもなく20年となる。デザインに関しては、確実に完成度を創り上げる実力者であることをさまざまな受賞歴が物語っている。そんな数多いデザインの中でも、今回紹介するセキュリティゲートに目がいった。官庁や大手企業に行くと必ず通過しなくてはならないセキュリティーゲート。しかし、これまであまり良いデザインに遭遇したことがなかった。存在感が際立っていた。しかし、このゲートは自然な導入部、タッチセンサー部、入室のガラス部などが軽やかにまとまっており、好印象を覚えた。デザインがこうした部分で役立ち、成熟して行くことを何よりも歓迎したい。

デザインディレクター桐山登士樹

桐山登士樹(デザインディレクター)

デザインの可能性を探っていきたい。そんなことを考えて30年。さまざまなプロジェクトを通じて、デザインの力をアピールしています。

山口英文(プロダクトデザイナー)

山口英文(プロダクトデザイナー)

1965年東京生まれ。1990年多摩美術大学卒業後、富士通株式会社デザイン研究所にて情報機器のデザイン開発に従事。その後OUZAK DESIGN勤務を経て、1998年よりフリーランスとして活動を開始。現在、株式会社Caro代表取締役。デザインとは「Dear=親愛なる、あなた」へ向けたメッセージだと考え、「デザインが、どのような気持ちを創り出すか?」をテーマに活動中。情報機器・公共機器のデザインから、食器、ステーショナリー、伝統技術を活かした商品開発まで、幅広い分野の開発に参加。おもな受賞には「Red Dot賞(2012 ドイツ)」、「IF DESIGN AWARD (2016 ドイツ)」、「GERMAN DESIGN AWARD WINNER(2017 ドイツ)」、「グッドデザイン賞」など多数。

www.caroinfo.info