完璧な色の再現性と高解像度でストレスをなくす、BenQのデザイナーモニター「PD2725U」―田渕将吾インタビュー(2)

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完璧な色の再現性と高解像度でストレスをなくす、BenQのデザイナーモニター「PD2725U」―田渕将吾インタビュー(2)

色の再現度への絶対的な安心感

――普段お使いのゲーミングモニター「ZOWIE」との違いについても、気付いた点を教えてください。

「PD2725U」の方は、ディスプレイスペースがかなり広いと感じました。これまでは一つの画面に一つの作業ツールを表示させて仕事をしていましたが、この画面領域だとデザインとドキュメントを左右に並べて作業することができます。

また、僕が普段手がけているのはデジタルの仕事でsRGBが基本になりますが、ゲーミング用モニターだとその色の再現性にやや不安がありました。とはいえ、些細なことなので通常は問題なく仕事ができていて、仕上げの段階において微妙な色の濃淡をMacBook ProやZOWIE、さらには別のモニターでも見ながらちょうどいい色の加減を探る、という作業が発生していました。

でも、「PD2725U」はsRGBが100%再現できるということで、実際に色に違和感もなく、見た目の印象でもきちんと理想の色が出ている実感もあります。特に「THE DENTAL」の仕事では写真がモノクロであったり色温度を高くして現像していたので、レタッチや厳密な色調補正に気を使う部分も多かったのですが、「PD2725U」のsRGBの再現度には本当に助けられました。

――色の再現度を確かめるために必要だった時間が、少し減ったということですね。

そうですね。MacBook Proは若干白が飛び気味なんですが、逆にZOWIEはコントラストが淡い分ちゃんと色味が出ていて、その2つの中間くらいに調整するということをこれまでよくやっていました。

ただ、ZOWIEのほうはゲームに特化しているだけあって応答速度がとても速く、ゲームをしていてもまったく残像のないキレのある映像を見ることができます。一方で「PD2725U」の応答速度はというと、数値的には5msという値でこちらもやっぱり早いです。そのため「PD2725U」のモニターでゲームをしても実は違和感はなくて、どちらにもそれぞれのメリットがあるなと、今回仕事でもプライベートでも使い比べてみて思いました。

高画質・高解像度でストレスのない作業環境を実現

――画質や解像度の部分で感じたことはありましたか?

4Kモニターは2160P(ディスプレイ・動画の解像度などで用いられる用語)という画面解像度ですが、そのままだと作業領域は確保できても、文字などの表示が小さすぎてブラウザでザッピングしたり、ドキュメントで文章を書いたりする際に支障が出てしまいます。僕の場合は、100〜150PPIくらいの画素数のモニターが見やすいというのが計算してみてわかったのですが、それに対応させるには、このモニターを1080Pのサイズにして使えばちょうどいいと感じているんです。

1080Pというと「ZOWIE」と同じで、いわゆるフルHDモニターと同じサイズになるのですが、ドットは4Kで表示されるので、写真などはかなり精巧に見えます。画角は同じでも細かいところはきれいに見えるといった印象で、Webサイトを見たり作業したりするときにも、ディテールを本当にきれいに感じ取ることができます。よく4KをフルHDサイズにスケーリングしたら意味がないのでは?という意見も耳にしますが、その分ドットが細かくなっているので、見やすい表示サイズ感でより精巧なディテールを見ることができる、と解釈しています。

――詳細なレビューをありがとうございます。やはりお仕事上、文字や表示対象がストレスなくはっきり見える安心感は大きいですよね。

そうですね。デザインをしていても本来1ピクセルのラインを引いているのに、全貌を見渡すために少し縮小した時に1ピクセルをちゃんと表示できなくて、ラインが欠けて見えなくなることがあるんです。そのたびにわざわざ拡大して線が消えていないことを確かめるのですが、そうした作業が発生しないのがいいですね。「あれ、めちゃくちゃ視力よくなったぞ」みたいな感覚です(笑)。

さらに、モニターのユニフォミティの観点ですが、デザインやレタッチの作業をするときって、特に日光が当たっている時間帯だとモニターの上下左右などの端が見えづらく、角度を変えて見える位置を探ることがよくあります。でも、「PD2725U」の場合はコントラストが均一なので、これだけ画面が大きいにも関わらず、いつでもストレスなく端まで綺麗に見えるのもいいですね。

左の「PD2725U」のモニターは、右のモニターと比べて端から端まで均一に表示されているのがわかる。

――それも大事ですね。視力のお話が出ましたが、長時間作業を行っていると目への影響もあると思います。「PD2725U」にはブルーライト軽減や画面のちらつきを防止するフリッカーフリー技術なども搭載されているのですが、何か感じられましたか?

「ZOWIE」にも同じ機能があるので、その点では「PD2725U」のほうが疲れないという実感はありませんでした。ただ、僕は日中に8〜9時間仕事でモニターを見続けたあとに、4〜5時間ゲームをすることもあります。それでも目の疲れを意識することなく時間が経っていることを考えると、そうした機能のおかげなのかもしれませんね。

ONもOFFも、自分なりにカスタマイズできる便利な機能

――OSDコントローラーの「ホットキーパックG2」は使ってみましたか?

はい。よく使う機能のショートカットをカスタマイズできるのがすごく便利ですよね。僕の場合カラーモードはsRGB一択なので切り替える必要はなく、入力ポートの切り替えのために利用していました。Thunderbolt3でMacBook Proを、HDMIケーブルでPS4とNintendo Switchを繋いでいます。仕事が終わったらPS4に切り替えるので、1日1回以上は必ず押すことになります。パッと切り替えられるので頻繁に使いましたね。

写真中央にあるのがホットキーパックG2

中央のダイヤルも、輝度やコントラスト、もしくは音量を調整するために使えるので役立っています。特にゲームをしていると、部屋の明かりを消してデスクまわりの明かりだけ点けることがあります。そのときに輝度が明るすぎると眩しいので、ダイヤルを回して調整しています。人によっては、例えばモニターのスピーカーとヘッドフォンを使い分けている場合もあると思うので、ダイヤルに音量を割り当てて、ヘッドフォンを使うときはモニタースピーカーの音量をゼロにするなどの使い方もできるでしょうし、いろいろな使い方ができて便利だと思いました。

――お仕事のなかでももちろんですが、田渕さんのようにゲームへの切り替えなど、自分なりのカスタマイズへの汎用性があるとまさに生活の一部になりますね。

コントラストを強める機能などは映画を見るときにもいいと思うので、そういった趣味がある人はすぐに画面モードを切り替えられていいですよね。モニターって、今やプライベートで使う人も増えていると思いますし、僕のように自宅が作業環境という人も増えています。だから、人や環境によって使い分けができるこうした機能は、特に需要が高いと感じました。

仕事の範疇に留まらない色や解像度の重要性

――今回、お仕事事例を2つご紹介していただきました。お仕事や作品制作において色の精度や解像度は大切になってくると思いますが、その辺りの重要性は普段作業されるなかでどのように考えていますか?

そこはやはりとても重要ですね。僕がお引き受けしている仕事は、ご紹介した「THE DENTAL」のように、モノクロ写真の濃淡を調整したり、カラー写真でも微妙な色温度を合わせたり、微細なレタッチ作業が発生することも多いです。かといって、フォトグラファーの方々が利用しているような、ハードウェア・キャリブレーションに対応した環境を用意することはなかなか難しいですよね。だからこそ、「PD2725U」のように画面全体の色が均一で、sRGBを100%再現してくれる環境は大変ありがたいです。これ1台で微妙な色や明るさの補正は十分できるので、作業効率もアップします。

解像度に関していえば、Webデザインって数年前はタイトル文字やロゴマークを画像でつくっていたのですが、それを高解像モニターで見ると文字やロゴにアンチエイリアスがかかったように滲んで見えていました。でも最近ではSVGやWebfontも当たり前になったことで「PD2725U」のような高解像度の環境でも文字やロゴをストレスなく視認することができるので、すごく単純ですが、それが4K高解像度の最もいいところですよね。自分がデザインする場合だけでなく、多くの人がさまざまなクリエイティブをきれいに見ることができるのは、素晴らしいメリットだと思います。

モノクロ写真を扱う際にも濃淡が調整しやすい。

確固たるロジックがあってこそのアウトプット

――最後に、田渕さんがいろいろなお仕事を手がけられているなかで、大切にしている「自分らしさ」についてもお聞きしたいです。 ご自身のセルフプロモーションサイトである「S5 Studios」には“カッティングエッジ”というキーワードも挙げられていますが、お仕事や作品を通して、何か共通のテーマ性などがあれば教えてください。

一言ではお伝えしにくいのですが、僕の作品をまわりの方々が客観的に見たときの印象として、「動きがある」とか「ユニーク」とか、おそらくビジュアルやインタラクションの点でほかとの違いを感じてくれていると思うんです。ただ、自分としてはその表現性のみを強みとしているのではなく、ロジックと感性の両立というか、まずロジックがあって、そのロジックに対して自分なりの答えを出した上でのアウトプットであることを意識しているんです。

――必然性のある表現ということでしょうか?

そうですね。一見奇抜だったりユニークに感じることもあるかもしれませんが、僕のなかでは1本の筋が通っていて、なるべくしてそうなっています。そう言い切れる理由として、デザインを進めていく順番が特徴的だと思っているのですが、例えば、1がヒアリングで最後のアウトプットが10だとすると、通常は1から10に向けて1、2、3と順を追って作業工程が進んでいくと思います。でも僕の場合は、1のヒアリングの段階で10のアウトプットを頭の中で想像していて、次の工程で情報を整理しながらまたアウトプットのことを想像しているんです。1⇔10、2⇔10、3⇔10のように、頭の中で常に設計とアウトプットを行き来して答え合わせをしながら進めていくんですよね。右脳と左脳を両方使いながらつくる、といった感覚です。

また、プロジェクトをリリースして告知するときに、あえて設計論には触れないようにしています。それは説明をせずともアウトプットを見て感じ取ってもらえていなかったら意味がないと思うからです。だからこそ、表現や演出が第一と捉えられがちかもしれませんが、そこには確固たる裏付けをもって取り組んでいるんです。そうした部分が自分らしさに繋がってくるのかもしれません。

また、お客様ごとに持っている世界観は異なりますが、Webサイトのブランディングでその世界観を最大化してあげることこそが、自分の役割だといつも思っています。これはすべての仕事に共通しているし、これからも大事にしていきたいですね。

■PD2725U 製品情報ページ
https://bit.ly/30DpUTs
■BenQ
https://www.benq.com/ja-jp/index.html

文:開洋美 写真:西田香織 取材・編集:石田織座(JDN)