完璧な色の再現性と高解像度でストレスをなくす、BenQのデザイナーモニター「PD2725U」―田渕将吾インタビュー(1)

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完璧な色の再現性と高解像度でストレスをなくす、BenQのデザイナーモニター「PD2725U」―田渕将吾インタビュー(1)

「Because it matters(大切なコト、価値あるモノを)」をモットーに、液晶モニターやプロジェクターなどの商品を手がけるメーカー「BenQ(ベンキュー)」。今年発売されたデザイナーモニター「PD2725U」は、BenQ独自の色精度、4K UHDによる超高解像度を実現したデザイナー向けの1台だ。シリーズとしては初となる輝度ムラ補正技術なども搭載し、デザイナーに快適な作業空間と作業効率のアップが実現できる。

今回は、アートディレクター/インタラクションデザイナーの田渕将吾さんに一定期間「PD2725U」を試していただいた。仕事に限らずプライベートでも使用してみたという詳細なレビューとともに、田渕さんのお仕事内容や作品づくりへのスタンスなどについて伺った。

経験を活かし、好きなことを一つにしぼらない働き方

――田渕さんの現在にいたるまでのプロフィールを教えてください。

デザイナーとしてのキャリアは、新卒の際に新宿にあるWeb制作会社に就職した時からスタートしました。肩書きはデザイナーでしたが、デザインと同じくらいの割合でHTMLのコーディングなども行っていました。その後は2社ほどそれぞれ強みの違う制作会社にお世話になり、コーポレートサイトやブランドサイト、インスタレーションやイベントプロモーションなど、幅広いジャンルのクライアントのデジタルデザインに携わり、今にいたります。

田渕将吾 HAL・モード学園卒。Webのインタラクションやインターフェースのデザイン、動画・スチール・イラストのアートディレクション、フロントエンドエンジニアリングを手がける。ジャンルやクリエイティブの境界なく多岐にわたり活動中。人とデジタルが相互に作用するインタラクションデザインを得意とする。

――現在はどんなお仕事をされていますか?

今は、事業会社にブランディングデザイナーとして籍を置きながら、ほかにもいくつか自分で仕事をしています。というのも、社会人になってからこれまでの16年間でいろいろな経験を積んできたので、そのなかで培ってきた能力を活かしながら、好きなことを一つにしぼらない働き方を模索してみたいと思っているんです。

2つ目の仕事としては「S5 Studios」というフリーランスの屋号で、Web制作のトータルプロデュースをお引き受けしてアートディレクター兼デザイナーとして活動しています。3つ目は比較的新しい取り組みで、某制作会社の顧問デザインマネージャーとしてメンタリングやアドバイザーとして関わっています。そして4つ目は「S5-Style」というWebデザインギャラリーを運営しています。いわゆるWebサイトのキュレーションサイトですね。

田渕さんが10年以上にわたり運営している「S5-Style」。毎日2〜3つほどサイトがアップされるという。

――なるほど、現在は4本柱で動いていらっしゃるのですね。

はい。大きく分けるとその4つですね。僕のなかではどれがメインというわけではなく、自分の時間をうまくコントロールしながらやっています。作業内容としてはどれもバラバラで、頭や気持ちがいい意味で切り替わるきっかけにもなるので、それぞれ楽しんでやっています。

――「S5-Style」は、運営自体が10年を超えているとお聞きしました。

もともとこれは、新卒で就職したときに自分のセンスだけではどうにも仕事ができず悩んでいて、いろいろ精度の高いサイトを見て勉強しようと、ブログに登録しはじめたのがきっかけだったんです。今「S5-Style」を利用してくれている人にも、当時の僕と同じような悩みがあって使ってくれているのかもしれないですし、少しでも役に立てればという思いで続けています。

いまでは8,000件以上のWebサイトを登録していて、例えばメールフォームで申請をもらったり自分でサイトをチェックしたりして取捨選択するのですが、掲載しているのはだいたい20件見たなかで1件あるかないかなんです。それから単純計算すると、これまで20万件近くのWebサイトを見てきたんだなって気付きました(笑)。

クライアントの思いとつくり手の意識がうまく融合したサイト

――それは確実に審美眼が養われますね……!そんな田渕さんが最近手がけられたお仕事を教えてください。

1点目は、池尻大橋にある「THE DENTAL」という歯科医院のWebサイトをトータルプロデュースさせていただいた事例です。医院長をはじめ、とても高い美意識をもたれている方々で、医院を美術館、歯を美術品のように捉えている歯医者さんなんです。

同時に、患者様が先生や歯科助手さんのことを信頼できる、かつ空間自体もリラックスして楽しめるような場所でありたいと、人間関係や設備環境へのこだわりも強くて。だからといって奇抜なWebサイトを目指したわけではなく、UIやUXは普遍的な使いやすさを保ちながら、美しさも感じられるレイアウトやインタラクションを目指しました。

歯科医院に珍しく黒を基調にした「THE DENTAL」の公式サイト。

――歯医者さんのサイトでは見たことがないような高い美意識が感じられますね。

ありがとうございます。このトーンのほかにも女性向けのスキンケアサイトのような雰囲気や、美術館を意識したモダンな雰囲気のもの、あとは歯医者さんによくあるような、いわゆる白い背景で清潔感のあるデザイン案を提案しましたが、そのなかからこの黒を基調にしたユニークなデザインを気に入ってくださって、即決だったのが印象的でした。

――クライアントさんと田渕さんの美意識がうまく擦り合わさったのだと思いますが、先方から何かデザインへの要望はあったのですか?

デザインそのものに関しては特になく、どちらかというと概念や思いについてたくさん聞かせていただいたことが功を奏していると思います。それがコピーの一つひとつに活きていて、コピーをつくったあとにビジュアルデザインをつくったので、それでスムーズに運んだというのもあるかもしれないですね。

――スタッフ紹介のところで、マウスオンにすると私服姿に切り替わるのもおもしろいですね。

そうなんです。これは先方の「患者様にとって信頼できる相談相手のような存在でありたいので、人間味が垣間見えるような工夫がしたい」という希望からこういったデザインになっています。そのため、普段の私服の雰囲気と、ちょっとしたメッセージも盛り込んでいて。ちなみに人の並びも、一般的には医院長が一番上にくることが多いと思いますが、リロードするたびにランダムな配置になるようにしました。立場の上下に関係なく、スタッフのみなさん全員が患者様に対してフラットに接客するという思いがあるのであえてそうしましたが、そこも一つの特徴だと思います。

マウスオンすると、スタッフの趣味や好きなことが伝わってくる写真に切り替わる。

――では、もう一つほかの事例を紹介してくださいますか?

もう一つは、前者とは対照的にポップなテイストの「キボウノアカリ」という名前のWebサイトです。これは今年の春にリリースしたプロジェクトで、ユーザーがやりたいことを発信すると、サイト内にキューブとして出現し、共有できるという仕組みになっている、Twitterと連携したソーシャルプラットフォームです。

ちょうどコロナ禍になった頃って世の中が不安でいっぱいで、SNSでも暗い話題が中心でしたよね。そこで、コロナが収束したらやりたいこと、または困っている人への応援コメントをサイト内でビジュアライズすることで、世の中を少しでも明るくしたい。そんなクライアントの思いに共感してお手伝いしたお仕事です。

自分が叶えたい“希望”がたくさん投稿されている「キボウノアカリ」。リアルな場にキューブ型のインスタレーションを置き、Webサイトに投稿されたコメントがリアルにも反映されるという企画もあったそうだが、緊急事態宣言が長引いたことからWebサイトでの展開となった(Client : HITO-TO-HITO / Production : EPOCH)

僕はコメントに付随するポップなアートワークの演出やディレクション、インタラクションやサウンドのディレクション、あとは全体のUIデザインも手がけました。長く見ていても飽きないものにしたいと、絵コンテなども自分でつくってディレクションしました。今はコロナも落ち着きつつあるので、サイトへのコメント数もそんなに多くはないですし、世の中的にこのサイトが広く浸透したかといえばそうではないのですが、それはそれでこれが必要ない世の中になっていっているんだと前向きに捉えています。

投稿する際にはキューブのデザインもさまざまな柄や色合いのものから選べる。

作業環境を邪魔しない「PD2725U」のシンプルなフォルム

――では、今回試していただいたデザイナーモニター「PD2725U」のお話を伺っていきたいと思いますが、田渕さんは現在BenQのゲーミング用モニターをお使いとのことで、普段の作業環境やこちらのモニターを手に入れた経緯も伺えますか?

まず普段の作業環境は、仕事に使う機器はMacBook Proと、ゲーミング用モニターの「ZOWIE(ゾーウィー)」です。あとはマウスとハードディスクドライブくらいで、ほかには使っていません。昔から必要最低限のものしか利用しないタイプで、PCのドックに並んでいるツールもかなり少なくミニマルですね。

「ZOWIE」のモニターは、ゲームコミュニティーの「vaultroom」の制作を依頼された際にプレゼントしていただきました。それまでは会社勤めだったので、自宅にモニターは必要なく持っていなかったのですが、ちょうどコロナ禍でリモートワークになる前のタイミングで「ZOWIE」をいただいたので、そのままずっと使っています。

――ミニマルというお話が出ましたが、新しいツールやガジェットへの興味は強いほうですか?

まわりの方よりはないだろうなと自覚しています(笑)。そのかわり、作業環境やデスクまわりを快適にすることへの興味は強いです。今の会社はコロナ禍以降、完全リモートなのですが、そうなってからは特にデスクや椅子など、好きなものにこだわるようになりました。

デスクは「モモ ナチュラル」という岡山の家具メーカー、椅子はイトーキの「バーテブラ03」を使用。壁には好きな絵を飾ったりアロマディフューザーを置いたりと、リラックスしながらデザインできる空間づくりを心がけているそう。

――長時間自宅で仕事となると、作業環境の快適さは重要ですよね。ちなみに、今回お送りした「PD2725U」を配置したときの第一印象はいかがでしたか?

最初に感じたのはフォルムがとてもシンプルなので、大画面なのにデスクに置いたときにまったく狭く感じないなということでした。スタンドがフラットでデスク上のほかのものと干渉しないこともあり、むしろ広く使える印象でしたね。

あと、僕はMacBook Proとモニターを左右ではなく、上下一直線上に並べて配置しているのですが、その場合Macよりも高い位置にモニターがないと重なってしまいます。「PD2725U」はアームで画面を高く引き上げられる点が個人的に便利で使い勝手もよくて、今とても作業しやすい状態に保たれています。

BenQ デザイナーモニターPD2725U。独自のAQCOLORクオリティと輝度ムラ補正技術を搭載し、より均一なユニフォミティを実現。4K UHDの高解像度や高水準の色精度を実現し、VESA Display HDR400対応で動画編集やアニメ制作などデザイナーやクリエイターにふさわしいモデル。オーディオビジュアルアワード「VGP2021 SUMMER」において、ライフスタイル分科会の金賞を受賞している。

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